日本学術会議会長談話「日本学術会議法改正に関する今般の報道について」及び会長コメント「「日本学術会議の在り方についての方針」の公表について」に関する声明(※2022.12.09追記)

    2022年11月28日、日本学術会議は、会長談話として「日本学術会議法改正に関わる今般の報道について」を発表しました。この談話は、日本学術会議のあり方をめぐる政府方針について、政府が今夏までに公表するとしながらこの時点で公表せず、そればかりか、唐突に来年の通常国会への「法改正」案の提出に言及する報道がなされたことに対する懸念を示したものです。

 その後2022年12月6日、内閣府は「日本学術会議の在り方についての方針」を発表しました。この「方針」の文面には「会員等以外による推薦などの第三者の参画」「日本学術会議会員の任期も踏まえ、できるだけ早期に関連法案の国会提出を目指す」など、学術会議の独立性の根幹に関わるような、看過できない文言が含まれており、同日付の会長コメント「「日本学術会議の在り方についての方針」の公表について」では「12月8日および21日に開催する日本学術会議総会において、政府より説明を受けた上で審議を行い、本会議としての考え方の取りまとめを行う予定」「日本の学術のあり方に関わる重要問題であることから、各学協会におかれましても学術の健全な発展のための議論を進めていただきますようにお願いいたします」としています。

    日本近代文学会は、これまでも会員任命拒否の撤回を求める共同声明を発してきましたが、このたびもこれらの会長談話・コメントを踏まえて、学会内での議論を継続するとともに、政府に対して、学術会議の独立性を尊重し、強引な法改正の手続きに進まぬよう要請します。

2022年12月7日

日本近代文学会代表理事 島村 輝

※この声明は12月7日に首相官邸、朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞社、東京新聞社、時事通信社、共同通信社に送付しました。