これまでの例会・大会(1991年~2000年)

これまでの例会・大会(1991年~2000年)

*このデータは『日本近代文学会50年史』を参考に作成しています。

1991年

■春季大会(於・専修大学)
【研究発表】
正宗白鳥『地獄』の諸相
大本  泉
森鴎外『里芋の芽と不動の目』論 ―増田博士の形象を中心に
瀧本 和成
〈演劇的空間〉としての『明暗』
片岡  豊
中野重治における天皇制と性
木村 幸雄
『ダンス・ダンス・ダンス』の音
今井 清人
荻原朔太郎の「幻想性」 ―その構造と現代性への視点
佐藤 洋一
「駆込み訴へ」論 ―〈日本化〉の意図をめぐって
三谷 憲正
【特集】 柳田國男・折口信夫と近代文学 ―『遠野物語』『死者の書』を中心として
享楽主義者の系譜 ―ひとつの『死者の書』論として
持田 淑子
覚醒する意識と重層化する時間 ―近代小説としての『死者の書』
長谷川政春
泉鏡花と柳田国男の接点 ―山人はどこへ行ったか
笠原 伸夫
神の嫁と神隠し ―『死者の書』『遠野物語』『山の人生』
梶木  剛
■6月例会
【テーマ】 「明暗」の方法
『明暗』試論 ―生活気分としての自我
関谷由美子
『明暗』と『続明暗』の間
石原 千秋
■9月例会
【テーマ】 実証の現在 ―書誌・注釈・伝記について
想像力・仮説・資料
関口 安義
もっと書誌を!
浦西 和彦
文献・テキスト・書誌
林   望
■秋季大会(於・梅光女学院大学)
【研究発表】
谷崎作品における物と心 ―フェティシズムの展開
長沼 光彦
谷崎潤一郎『乱菊物語』の典拠について
細江  光
『明暗』のことば
赤井 恵子
詩集『氷島』の構造についての一考察
安藤 靖彦
『蜜のあはれ』の豊饒性
芥川龍之介における明治 ―未定稿「明治」と作品『雛』との間
庄司 達也
『風博士』解読への模索
若月 忠信
【特集】 文学表現とキリスト教
日本「近代」とキリスト教
饗庭 孝男
太宰治『駆込み訴へ』をめぐって
奥野 政元
〈第五福音書〉と日本近代文学における「イエス傳」
宮坂  覺
聖書と芥川作品の表現
平岡 敏夫
■11月例会
【テーマ】 実証の方法 ―横光利一に即して
横光利一の初期作品 ―近代都市の成立と表現の変貌をめぐって
関井 光男
横光利一『上海』の成立過程を踏まえつつ
玉村  周
〈純粋小説〉とは何であったのか ―比較文学的・文芸思潮史的「実証」を越えて
中村 三春

1992年

■春季大会(於・日本大学)
【研究発表】
北村透谷の「詩人」論 ―その啓蒙的側面の問題
尾西 康充
川上眉山『大さかづき』の位置
鎌倉 芳信
隠された父 ―『暗夜行路』を中心に
生井 知子
久米正雄出発期の問題
山岸 郁子
室生犀星の初期小説について ―文章表現から発想へ
高瀬真理子
横光利一と映画 ―昭和四、五年を中心に
十重田裕一
【特集】 近代文学と〈翻訳〉―メディアの横断
『東京ラブストーリー』から『たけくらべ』へ
木股 知史
朗読という翻訳装置
白坂 道子
(聞き手)金井 景子
文学と映画の衝突
小栗 康平
栗坪 良樹
■6月例会
【テーマ】 表現の位相 ―明治三十年代の描写を中心に
明治三十年代の表現と独歩
後藤 康二
〈遠方のパトス〉の変容 ―明治三十年代の花袋の表現
渡邉 正彦
物語的なるもの
山田 有策
■9月例会
【テーマ】 抒情と韻律
〈速度〉論、あるいは〈群衆〉論のための走り書き的覚え書き
高橋 世織
定型詩論争について
北川  透
■秋季大会(於・早稲田大学)
【研究発表】
「風流な土左衛門」考 ―『草枕』とスウィンバーン
飛ヶ谷美穂子
森鴎外『青年』と東京
野村幸一郎
『蒲団』における二つの告白 ―戦略としての告白行為
藤森  清
明治初期「実録物」に見る歴史叙述の問題
山田 俊治
西脇順三郎「近代の寓話」を読む」
和田康一郎
吉行エイスケの上海 ―批判軸を確立に向けて
小川 直美
【シンポジウム】『墨東綺譚』 ―小説の方法
『墨東綺譚』の方法
島村  輝
『墨東綺譚』―小説の方法
高桑 法子
「引用」と「トレース」
中島 国彦
■11月学会
【テーマ】 夏目漱石の『文学論』再考
多角的な思考の渦 ―『文学論』の理解的可能性に向けて
中山 昭彦
『文学論』をめぐって
内田 道雄
『文学論』と十九世紀イギリスの批判
富山太佳夫

1993年

■春季大会(於・学習院大学)
【研究発表】
一人称としての『舞姫』―音読と黙読をめぐって
槇本 敦史
国木田独歩『非凡なる凡人』論―立志の変容
関   肇
叙述される「仮面」―三島由紀夫『仮面の告白』論
柴田 勝二
読書行為と婦人雑誌 ―「婦人畫報」の夢見る規則
和田 敦彦
『道草』―錯綜する〈交換〉
柴  市郎
【シンポジウム】 表現における性差
性という制度
坪井 秀人
男の言葉/女の言の葉 ―『うつせみ』の方法
関  礼子
ジャンル・代筆・性転換
三田村雅子
■6月例会
【テーマ】 近代文学の〈成立期〉をめぐって
歴史小説としての『憂き世の涕涙』 ―原作『The GENTLE SAVAGE』と比較して
大沼 敏男
文明開化の歴史意識 ―成島柳北を視座として
山本 芳明
『自由艶舌女文章』を読む
亀井 秀雄
■9月例会
【テーマ】 黙阿弥・逍遙 ―演劇と小説
目と耳の黙阿弥
神山  彰
逍遙と黙阿弥の距離
青木 稔弥
『当世書生気質』から『三四郎』へ
中村  完
■秋季大会(於・福島大学)
【研究発表】
反〈家庭小説〉としての『婦系図』
工藤 京子
神話の生成・志賀直哉 ―一九一〇~一九一七
大野 亮司
《芸術家となる法》としての「歓楽」
南 明日香
鮎川信夫の戦中詩編について
今野 孝志
宮沢賢治文学と「赤い鳥」
安藤 恭子
【特集】 小説ジャンルの再編成 ―日清戦争以降
ジャンルと様式
高橋  修
終末のヴィジョン ―明治三十年代鏡花作品をめぐって
種田和加子
名称と実態
出原 隆俊
■11月例会
【テーマ】 大衆文学の形成 ―表現と受容の場から
探偵小説とメディアの戦略
浜田 雄介
プロットの力学/大衆文化の引力
田口 律男
大衆文学の形成 ―大正期における文学界再編成の特徴
坂井セシル

1994年

■春季大会(於・東京大学)
【研究発表】
昭和十年代の萩原朔太郎について
山本 康治
『新生』における〈性の政治学〉
千田 洋幸
従軍作家はなにをみたか ―佐藤春夫の場合
奥出  健
鴎外「五条秀麿もの」の軌跡 ―「宗教」という縦糸
大塚 美保
『秋山図』試解
西原 千博
【特集】 劇場の場/文学の劇場
家庭小説の脚色と新劇派
藤木 宏幸
鏡花における演劇と小説のあいだに
松村 友視
方法としてのレーゼ・ドラマ ―大正期の劇文学をめぐって
石川  巧
劇場と書斎
井上ひさし
■6月例会
横光利一の形式論の諸相
石田 仁志
匂いとしてのわたし ―尾崎翠の感覚世界
近藤 裕子
一九三七年の言説空間 ―中野重治『汽車の罐焚き』をめぐって
竹内栄美子
■9月例会
【テーマ】 現代文学研究の課題
現代文学研究とマルチメディア
榎本 正樹
近代の尻尾 高橋たか子の『ロンリー・ウーマン』を読む
須浪 敏子
現代文学研究の課題
古橋 信孝
■秋季大会(於・お茶の水女子大学)
【研究発表】
森鴎外『半日』の意義
古郡 康人
『藪の中』 ―語りの価値観・読みの価値観
篠崎美生子
「心象スケッチ」の目的 ―田中智学、ウィリアム・ジェームスの視点から
鈴木 健司
貫一の恋 ―『金色夜叉』小論
管  聡子
『二人女房』 ―混沌と秩序の物語
臼井太美恵
【シンポジウム】〈性〉という規制
催眠術・心霊学・性 ―森鴎外『魔睡』から
一柳 廣孝
肛門性格をめぐって
細江  光
戦争と性
林  淑美
性欲の形成 性欲の文化史
川村 邦光
■11月例会
【テーマ】 「太宰治」特集 小説の実験
潜在する実験性 ―『道化の華』を視座として
山崎 正純
物語・聖書
服部 康喜
「作中人物作家」の方法
東郷 克美

1995年

■春季大会(於・成城大学)
【研究発表】
『開化の良人』 ―三浦直記の「愛」をめぐって
溝部優実子
寺山修司の方法論と転換 ―『戦後詩』と『暴力としての言語』
板東 広明
丹羽文雄『海戦』論 ―昭和十七年の徴用
田中 励儀
読書行為における連続的幻惑理論 ―『文学論』第四篇第八章「間隔論」
大木 正義
花田清輝の可能性 ―フェミニズム的側面を中心に
菅本 康之
【シンポジウム】 日本近代文学の中のアジア
日本近代文学と「南洋」
神谷 忠孝
芥川文学における〈中国〉
宮坂  覺
昭和文学の中のアジア
川村  湊
■6月例会
【テーマ】 〈批判〉を研究する
小説家と批判 ―大岡昇平の場合
小森 陽一
批判を研究する ―島村抱月の場合
岩佐壮四郎
「批判」と「研究」との文化的ヘゲモニー
木圭 秀実
■9月例会
【テーマ】 書誌・テキスト・出版
近代文学書誌学は成立し得るか
大屋 幸世
本文研究の現在―英米vsフランス、そして日本は
山下  浩
本文の諸問題
長友千代治
■秋季大会(於・愛媛大学)
【研究発表】
『ヴィヨンの妻』論 ―「妻」をめぐる言説
榊原 理智
『佳人之奇遇』偽版訴訟事件再考
甘露 純規
『明暗』の面白さ、わかりやすさ ―〈凡常〉の読み取り
細谷  博
『蝮のすえ』の構造 ―誰に方舟を残すか
鎌田 朋美
太宰治と中島敦との〈交響〉―昭和十年代作家の一側面
鶴谷 憲三
【特集】 正岡子規
子規・漱石・荷風 ―三つの蛇使い
石井 和夫
写実短歌史から見た正岡子規 ―自然主義歌人との対比を視座として
山田 吉郎
正岡子規の新体詩
阿毛 久芳
子規と俳句
長谷川 櫂
■11月例会
【テーマ】 現代詩の地平
西脇順三郎の詩的方法 ―『あむばるわりあ』における作品改変の問題を中心として
市川  毅
鮎川信夫の「現代詩」
宮崎真素美
象徴詩から現代詩へ ―文字言語〈エクリチュール〉であることの詩的意義
林  浩平

1996年

■春季大会(於・立教大学)
【研究発表】
昭和六年の横光利一 ―『悪魔』を中心に
松村  良
異文化間の「架橋」と「日本」の浮上 ―保田 重郎における〈西欧のアウフヘーベン〉
柳瀬 善治
川端康成『雪国』の遠近
原   善
亡霊と宿命 ―萩原朔太郎における映画
安  智史
漱石と国家主義
朴  裕河
【シンポジウム】 「大衆」の発生と文学
谷崎潤一郎『痴人の愛』
中村三代司
芥川龍之介の「大衆」
松本 常彦
『ゴー・ストップ』が生み出す「大衆」
高橋 博史
■6月例会
【テーマ】 宮沢賢治特集 ―言語の実験
『山男の四月』考
中地  文
宮沢賢治の詩における昭和八年
杉浦  静
カフカと宮沢賢治の擬人法、その差異について
西  成彦
■9月例会
【テーマ】 文学全集の諸問題
全集の諸問題
宗像 和重
『鴎外全集』の問題点と課題
山崎 一穎
文学全集の歴史とその問題点
紀田順一郎
■秋季大会(於・大東文化大学)
【研究発表】
田村俊子作品における〈言語空間〉の変容
山崎眞紀子
『風博士』における笑いの構造
小林 真二
清岡卓行の三極構造に見る構成力と視座
岡本 勝人
前田河広一郎『三等船客』 ―移民の視座から
峰村 康広
『三四郎』論 ―「独身者」の起源と「読書」のテクノロジー
松下 浩幸
【シンポジウム】 文学の〈政治学〉
一九一三年の「文学」言説
紅野 謙介
文学の政治学 ―大岡昇平の〈戦争〉
村井  紀
〈大正教養主義〉の自己形成 ―言説の政治学
中山 昭彦
ポイエティーク/ポリティーク ―書くことと読むことの政治学
西川 直子
■11月例会
【テーマ】 文学史・再考
傍流性と女性のリテラシー
清水 良典
昭和文芸再考の視点
川崎 賢子
言語(空間)論再考
亀井 秀雄

1997年

■春季大会(於・大妻女子大学)
【研究発表】
『木の都』論 ―織田作之助の戦中と戦後
宮川  康
『春の雪』における歴史の構造 ―王権論を視座として
久保田裕子
近代文学としての「未来記」をめぐって
松木  博
梶井基次郎における「或る」と「その」 ―『蒼穹』という風景
奥山 文幸
梶井基次郎『檸檬』の位置
鈴木 貞美
【特集】 戦後文学の検証
「”母”の崩壊」再考
石原 千秋
武田泰淳の全体性について
重岡  徹
戦後文学をマイナー文学として読む
井口 時男
■6月例会
【特集】 樋口一葉
さやけき月は誰の上に照るのか ―『十三夜』私見
中川 成美
一〇〇年前への想像力
高田 知波
逃げる悪女 ―『にごりえ』の〈物語〉
小嶋菜温子
■9月例会
【テーマ】 装置としての〈告白〉―日記・書簡・手記
〈心情の吐露〉の稽古
飯田 祐子
手紙と告白 ―江戸川乱歩と夢野久作を起点として
吉田 司雄
古井 由吉
■秋季大会(於・群馬県立女子大学)
【研究発表】
〈憧れ〉の構図 ―「お出目(?)たき人」は熊として妖精に弄ばれる
瀧田  浩
恋の断念の〈行方〉 ―楠緒子と漱石
藤田 和美
和合同棲のための〈男〉の条件 ―夏目漱石『門』の宗助
片岡  豊
「化銀杏」における婚姻論、心理学の摂取
市川 祥子
「藪の中」における反転図形の方法 ―「語らない」ことへの一視点
高橋 龍夫
【シンポジウム】 朔太郎と日本語
高橋 世織・坪井 秀人・樋口 覚・管野 昭正
■11月例会
【特集】 中上健次
「ある」ことと「物語」と
永島 貴吉
相同性の場所あるいは表象の熊野へ
日高 昭二
中上健次とラテンアメリカ文学 ―新たなリアリズムを求めて
野谷 文昭

1998年

■春季大会(於・東海大学)
【研究発表】
〈志賀直哉〉の完成 ―芸術家小説としての『暗夜行路』
永井 善久
坂口安吾『日本文化私観』の論理
加藤 達彦
『それから』の叙述 ―成熟拒否と仮想過去
関谷由美子
有島武郎『宣言一つ』への過程
阿部 高裕
佐藤春夫『田園の憂鬱』論 ―星・水・花をめぐり
小川 康子
【特集】 大正期の言説空間
『黒髪』と『吉野葛』―「無縁」と「縁」の間
大杉 重男
「心境小説」の成立 ―正宗白鳥復権の背景を読む
山本 芳明
セクシュアリティへのまなざし ―大正的な知の装置
岩見 照代
■6月例会
【テーマ】 〈通俗〉の逆襲
「通俗」はいったい何に逆襲すべきなのか? ―「家庭小説」「蘆花」を軸にして
金子 昭雄
明治大正の流行小説 ―なぜ流行し、なぜ忘れ去られたのか
真銅 正宏
『ドグラ・マグラ』について
松山  巌
■9月例会
【テーマ】 小説再考 ―〈近世〉と〈近代〉
享受される〈近世〉
山本 和明
露伴『いさなとり』の近世/近代
関谷  博
〈小説〉と〈小品(文)〉―『帰省』をめぐって
谷川 恵一
■秋季大会(於・昭和女子大学)
【研究発表】
太宰治『フォスフォレッセンス』論
大國 眞希
『新萬葉集』という名の〈事件〉―戦争と〈歌〉をめぐって
五味渕典嗣
「家庭小説」の家庭・愛・性
岡野 幸江
明治十年代末期における〈軍歌/唱歌/新体詩〉の諸相
榊  祐一
『沢氏の二人娘』
今村 忠純
【特集】 近代作家の中の〈近世〉
『渋江抽斎』、『伊沢蘭軒』、『北条霞亭』の近世
柴口 順一
正岡子規における世界構成 ―俳句・短歌に即して
勝原 晴希
『夜明け前』と平田国学
高橋 昌子
■11月例会
【テーマ】 小説の現在
変流文学の現在
巽  孝之
多和田葉子の『犬婿入り』における変身譚 ―検閲(身体の排除)、窃視と現実の構築
カトリン・アマン
現代小説の位置設定をめぐって ―笙野頼子の小説を中心に
与那覇恵子

1999年

■春季大会(於・早稲田大学)
【研究発表】
鴎外「史伝」と明治「史伝」
目野 由希
永井荷風『問はずがたり』における画家の態度
南 明日香
「江戸趣味」の行方 ―劇評家・饗庭篁村と三木竹二
神山  彰
『デンドロカカリヤ』と前衛絵画
鳥羽 耕史
前田愛の読者論
小森 陽一
【シンポジウム】 近代文学の中の〈男性〉像
日本近代文学における「男らしさ」
藤本由香里
『蓼食う蟲』の男性像
前田 久徳
三島由紀夫と父性
佐藤 秀明
■6月例会
【テーマ】 映画という鏡 ―一九二〇・三〇年代の日本文学と映画
映画と遠ざかること ―谷崎潤一郎と溝口健二
城殿 智行
谷崎潤一郎と映画体験
四方田犬彦
■9月例会
【テーマ】 横断することば ―白秋再検討
北原白秋『白金の独楽』の位相
大塚 常樹
〈父母恋し〉という主題 ―『雀の卵』〈雉子の尾〉まで
國生 雅子
「童心」を機軸とする詩学
畑中 圭一
■秋季大会(於・活水女子大学)
【研究発表】
〈文芸と人生〉論議の再構築 ―青年思潮と〈人生観上の自然主義〉から
日比 嘉高
本間久雄『婦人問題十講』の位相
内藤 寿子
自画像と他画像の問題 ―沖縄〈現代〉文学の場合
花田 俊典
頓挫する現前性 ―島尾敏雄『夢の中での日常』を中心に
鈴木 直子
長崎・原爆をめぐる言説
長野 秀樹
【シンポジウム】 文化研究の可能性 ―『こゝろ』を素材にして
明治の精神と心の自律性
大澤 真幸
読む・書く・死ぬ ―夏目漱石『こゝろ』のオペレーション
大野 亮司
表象テクストと断片性
中村 三春
■11月例会
【テーマ】 ミステリと近代文学
明治の〈探偵小説〉
管  聡子
大正文壇と〈探偵小説〉
横井  司
ジャンルの失効がもたらしたもの ―脱領域化する90年代ミステリ
法月綸太郎

2000年

■春季大会(於・大妻女子大学)
【研究発表】
合同詩集『海港』における近代都市・横濱
東  順子
声の詩学のためのひとつの試み ―中原中也の詩を例として
中原  豊
戦後文学出発の一断章 ―北川晃二と第一次「午前」
狩野 啓子
「女の生活」への視点 ―戦争期佐多文学の揺らぎ
谷口 絹枝
花田清輝の「弁証法」、その条件
渡邊 史郎
【シンポジウム】 戦争の記憶
記憶の語り直し方
上野千鶴子
戦争文学の再検討
神谷 忠孝
「戦後的」思考と記憶の修辞学
紅野 謙介
戦争と記憶、一九七〇年前後
成田 龍一
■6月例会
翻案小説と〈通俗〉―三遊亭円朝『欧州小説 黄薔薇』から
小松史生子
〈世界〉を憂える青年 ―斎藤野の人から武者小路実篤へ
亀井 志乃
『吹雪物語の読者』 ―坂口安吾と昭和一〇年代文学
加瀬 健治
■9月例会
【テーマ】 読者論の現在 ―受容・解釈・歴史
谷崎潤一郎『武州公秘話』の読者戦略
日高 佳紀
リテラシーとジェンダー構成 ―明治三十九年前後の與謝野晶子
関  礼子
読者はどこにいるのか ―識字の思想と近代
山田 俊治
■秋季大会(於・実践女子大学)
【研究発表】
「閔妃」に関する一枚の写真 ―日本近代の一《韓国像》をめぐって
三谷 憲正
「美的生活論争前後」の〈本能〉―『重右衛門の最後』を補助線として
木戸 雄一
川端康成・「万物一如」思想の射程
片山倫太郎
鴎外の〈絵画論〉と『うたかたの記』―「ロオレライの図」の完成について
檀原みすず
排除する《自然》 ―宮本百合子『道標』
大河 晴美
【特集】 境界・交通としての〈翻訳〉―他者性をめぐって
“child’s Play”を読む
榊原 理智
〈翻訳〉という「自己」構築 ―柳宗悦の場合
朴  裕河
翻訳の政治学 ―誰に出会うのか
竹村 和子
■11月例会
【テーマ】 佐藤春夫の再検討
昭和二年前後の佐藤春夫
湯浅 篤志
『更生記』の再検討
海老原由香
佐藤春夫の翻訳と創作
須田 千里