『日本近代文学』総目次

『日本近代文学』第71集~第80集

第71集~第80集

第71集~第80集

第71集 (2004年 平成16年 10月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
表象する〈青年〉たち ─『三四郎』『青年』―
生方智子  1
京城の音楽会 ─「朝鮮民族美術館設立後援 柳兼子音楽会」の諸相―
梶谷崇  17
探偵小説の中の〈監視権力〉 ─谷崎潤一郎「途上」における探偵と被疑者―
永井敦子  33
志賀直哉「雨蛙」論 ─〈男〉たちの〈美しい夫婦の物語〉―
田中絵美利  48
「図書館幻想」論 ─宮澤賢治における書記/読書行為の空間構成―
村瀬甲治  63
立原道造「中間者」の誕生 ─「方法論」とオスカー・ベッカー
  『美の果無さと芸術家の冒険性』を通して―
名木橋忠大  79
稲垣足穂『弥勒』論 ─『ショーペンハウエル随想録』をめぐって―
高橋孝次  95
大岡昇平『俘虜記』の創作方法 ─背景としての記録文学―
野田康文 111
『沈黙』と時代 ─第二バチカン公会議を視座として―
小嶋洋輔 125
〈誤訳〉のなかの真理 ─中国における『ノルウェイの森』の翻訳と受容―
孫軍悦 141
テクストにおけるクロス=ジェンダード・パフォーマンス
  ─太宰治『女生徒』から篠原一『ゴージャス』まで―
内海紀子 157
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
特集 〈戦後〉論の現在 ─文学を再配置する(シンポジウム基調報告)
戦後日本とアメリカニズム
吉見俊哉 173
戦後文化運動への一視角 ─山代巴・中井正一の実践と論理―
竹内栄美子 186
大きな物語と小さな物語
花田俊典 200
研究ノート
   政治神学と古典的公共圏 ─パウロ・空海・和歌
前田雅之 218
   国家アイデンティティーとカノン形成
     ─明治期における『源氏物語』の役割
ゲイ・ローリー 228
   山本有三『波』にみる〈家〉と〈血〉 ─昭和三年の「社会問題」
小嶋菜温子 236
   堀辰雄・外国文学に関するノート研究─ラベ、ゲラン、ノワイユ夫人ほか
渡部麻実 244
   フランス大衆小説の射程
     ─ウージェーヌ・シュー作『パリの秘密』を中心に
小倉孝誠 262
   写真/都市/文学─パリ研究からの領野
今橋映子 270
展望 韓国現代文学研究に関する一つの略図
金哲 277
   国民国家アイデンティティを乗り越える視点
     ─菅野須賀子と金子文子の事例
前みち子 283
   ブルーノ・タウト「もうひとつのニッポン」をめぐって
沢良子 290
   探偵小説と日本近代文学研究
横井司 297
執筆ノート
   『小林多喜二の文学』(松澤信祐)/『解釈と批評はどこで出会うか』(山下久樹)
   /『バロックの日本』(守安敏久)/『文林逍遙』(佐藤泰正)/『漱石・女性・
   ジェンダー』(中山和子)/『ジブリの森へ』『宮沢賢治を作った男たち』(米村
   みゆき)/『芥川龍之介の読書遍歴』(赤瀬雅子)/『久坂葉子全集』全三冊(佐
   藤和夫)/『平沢計七作品集』(大和田茂)/『鷗外と神奈川』(金子幸代)/
   『谷崎潤一郎』(山口政幸)/『倫理的で政治的な批評へ』(綾目広治)/『灰谷
   健次郎』『野間宏』(黒子一夫)/『『一握の砂』の研究』(近藤典彦)/『パリ
   ・日本人の心象地図 1867-1945』(和田博文)/『百年の跫音』上下(高良留美子)
   /『佐藤春夫作品研究』(遠藤郁子)/『一つの花 評伝今西祐行』(関口安義)/
   『探偵小説と日本近代』(吉田司雄)/『立原道造と山崎栄治』(景山恒男)/『小
   説の相貌』(古閑章)/『楽の音に魅せられた魂』(安川定男)/『アンチ漱石』
   (大杉重男)/『太宰治と外国文学』(九頭見和夫)/『精選晶子百歌』(入江春
   行)/『川端康成』(大久保喬樹)/『コントラテクスト論』(種田和加子)/
   『〈朝鮮〉表象の文化誌』(中根隆行)/『明治文学 ことばの位相』(十川信介)
   /『日本近代文学との戦い 後藤明生遺稿集』(乾口達司)/『フィールドワーク・
   大江健三郎研究』(鈴木健司)/『近代文学の風景』(西垣勤)
日本近代文学会

第72集 (2005年 平成17年 5月15日発行)  ダウンロード 
〈論文〉
泉鏡花「湯島詣」の成立と変容
田中励儀   1
佐野天声「大農」の問題系 ─明治四十年、演劇改良運動の挫折―
宮山昌治  17
夏目漱石「京に着ける夕」論 ─《鶴》の表現と正岡子規との関わりを中心に―
二宮智之  32
安重根へのまなざし ─漱石「門」と鷗外訳「歯痛」―
若松伸哉  44
永井荷風の浮世絵研究 ─ジャポニスムの視座―
南明日香  58
漂泊する知識人の自画像 ─安成貞雄と実業の時代―
村田裕和  73
踊る少女/書く少女 ─童謡舞踊・綴方その他―
坪井秀人  87
浪漫派のゴルフ ─『日本浪曼派』創刊前後―
西村将洋 103
福永武彦『海市』 ─構造と語り―
西田一豊 119
性愛と争闘 ─中上健次『熊野集』「偸盗の桜」「鬼の話」―
渡邊英理 132
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
小特集 幻視される古代/原郷としての日本
折口信夫 古代幻視の構造 ─天皇霊・みこともち・語部―
高橋広満 148
『古寺巡礼』と『大和路・信濃路』をつなぐもの
 ─堀辰雄「大和路」ノートの検証を中心に―
中島国彦 163
和辻哲郎の「古代」 ─『古寺巡礼』を中心に―
苅部直 177
書評論文
明治の紫式部はいかにしてあらわれるのか
 ─関礼子著『一葉以後の女性表現 文体・メディア・ジェンダー』を読む―
小川昌子 190
明治日本から帝国日本への転位と自画像
 ─中根隆行著『〈朝鮮〉表象の文化誌を読む―
長沢雅春 198
“認めること””知ること”へと向かうとき
 ―小林幸夫『認知への想像力・志賀直哉論』に関して―
大野亮司 207
提言 学際的(共同)研究の可能性
橋爪紳也/五十殿利治/池内了/細川周平/杉浦芳夫/垂水千恵/長谷川眞理子/
鎌田道隆/川村邦光/川嵜克哲/伊藤徹/長谷正人/滝沢恭司          256
研究ノート
   『パンテオン会雑誌』の歳月
ロバート キャンベル 241
   村嶋帰之のルポルタージュ
土屋礼子 248
   異文化圏の読者と乱歩ミステリー
王成 256
   「在りし日の歌」という詩集名はいつ付けられたのか
加藤邦彦 266
   物語における「偶然」と物語の「思想」
猪木武徳 274
展望
   二十世紀八十年代以来の近代文学研究に学ぶ
孟慶樞 281
   時代と文学への新たな眼差し
島村輝 290
   現代の創作と古典
中沢けい 297
   いったい誰が小説を読んでいるのか
藤井淑禎 303
   『保昌正夫一巻本選集』を読む
石田仁志/柳沢孝子 311
   日本学会事務センターと文部科学省の言語道断
曾根博義 318
資料室
   芥川龍之介の未定稿作品「肯定及否定」
庄司達也 326
執筆ノート
小倉斉/木股知史/細江光/田中俊廣/酒井敏/柴田勝二/永渕朋枝/宗像和重
高橋眞司/相馬庸郎/千種キムラ・スティーブン/一柳廣孝/千石英世/橋詰静子
渡邊澄子/秋枝美保/横手一彦/楊英華/外村彰/岩見幸恵/下山嬢子/滝藤満義
竹内栄美子/永栄啓伸/高田知波/半田美永/勝又浩/松澤和宏/浜田雄介/平岡敏夫
江種満子/内田道雄/高良留美子/岩淵宏子/川島秀一/竹内清己/宇佐美毅
333
日本近代文学会

第73集 (2005年 平成17年 10月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
末松謙澄『Genji Monogatari』刊行の辞に見る出版事情
―イギリスに対する文化イメージ操作と徳川昭武―
川勝麻里   1
空想と現実の接点 ─大津事件に先立つ西郷隆盛生存伝説―
小林実   16
「白鬼女物語」から「高野聖」へ ─森田思軒訳「金驢譚」の受容と方法―
野口哲也  33
鈴木三重吉「小鳥の巣」論 ─新ロマンチシズムとの関係から―
高野奈保  48
捕獲・介入・現前 ─漱石のいない写真―
前田潤   64
芥川龍之介「鼠小僧次郎吉」 ─講談本との関わりについて―
奥野久美子 80
小林秀雄の一断面 ─エンゲルス『自然弁証法』受容の周辺―
山本亮介  96
〈翻訳〉の織物 ─太宰治「地球図」精読―
松本和也 112
断種を語る文学 ─ハンセン病文学に見る〈優生〉への全体主義―
荒井裕樹 127
村上春樹と情報社会
柴田勝二 142
サブカルチャー/メディア/批評 ─マンガ批評と純粋テレビ―
北田暁大 156
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
小特集 研究としての事典-『大阪近代文学事典』刊行を記念して
『新文学』(全国書房)の大阪出版時代研究
─大阪作家と編輯者との交流を通して―
増田周子 171
織田作之助の「わが町」について
宮川康  186
〈河内もの〉の型 ─今東光「おんば」を中心に―
中谷元宣 204
書評論文
明治二〇年代の小説表現史の構築にむけて
 ─宇佐美毅著『小説表現としての近代』―
甘露純規 217
虚弱な身体/病む身体
 ─川島秀一著『表現の身体 藤村・白鳥・漱石・賢治』を読む―
中山弘明 224
〈南洋〉という視座を抜きにして「昭和文学」は語れない
 ―木村一信『昭和作家の〈南洋行〉』の意義―
土屋忍  231
〈自負〉と〈エロス〉・抵抗する「読者」の力
 ―江種満子著『わたしの身体、わたしの言葉 ジェンダーで読む日本近代文学』を読む―
飯田祐子 240
提言 東アジアの日本文学・日本文化研究―その課題と可能性―
渡辺 一民/安田 敏朗/丁 貴連/藤井 省三/王 信英
染谷 智幸/黄 英哲/申 寅燮/徳田 武 248
研究ノート
   「鴎外史」―「明治四十一年」の復権への試み
        ―「豊熟の時代」への疑問も―
山﨑國紀 274
   〈記憶〉の掘り起こしの一環として
        ―『「帝国」戦争と文学』にみる十五年戦争下の〈国民〉と〈文学〉―
長谷川啓 281
   『田村泰次郎選集』の刊行を機に―「肉体の悪魔」自筆原稿の検討―
尾西康充 292
   「探求ノート」
大嶋仁 303
展望
   文学展に関する若干の感想
中村稔 310
   『大阪近代文学事典』に思うこと
浦西和彦 314
   文学研究の基盤について―学会制度と文学事典とデータベースと―
紅野謙介 319
   荷風再生―貴族性と大衆性のはざまで―
真銅正宏 327
   ポストモダニズム文学の現状と展望―アメリカ文学の場合―
麻生享志 333
   近代文学研究とサブカルチャー―二〇〇五年度春季大会を契機として―
金子明雄/葛西まり子/高田知波/跡上史郎/
西田谷洋/深津謙一郎/久米依子/柘植光彦/米村みゆき 341
執筆ノート
山本洋/谷沢永一/山崎眞紀子/森本穫/北田幸恵/内藤千珠子/山本良/小林美恵子
大河内昭爾/野中潤/大和田茂/島村輝/竹内栄美子/浅野洋/沢豊彦/半田美永
細谷博/高阪薫・西尾宣明/藤澤全/木村真佐幸/中山和子/関口安義/外村彰
和田博文/松本徹/持田叙子/田村圭司/杉山欣也/眞有澄香/波潟剛/森英一 379
日本近代文学会
第74集 (2006年 平成18年 5月15日発行)  ダウンロード
特集 文学にとって〈通俗性〉とは何か
毒婦物の法廷 ―小新聞における〈通俗性〉の問題に関連して―
松原真    1
木村曙と独幹敖史 ―雑誌『貴女之友』にみる通俗教育―
白井ユカリ 16
紙面の中の「己が罪」 ─大阪毎日新聞「落葉籠」欄にみる読者たち―
鬼頭七美  32
黙殺される「私小説」 ─直木三十五『私 眞木二十八の話』の試み―
平浩一   47
〈論文〉
竹内隆信編『纂評 新體詩選』の試み ─〈花柳の情〉をうたうこと―
宮崎真素美 62
幸田露伴と山田寅次郎 ─「書生商人」と「酔興記」をつなぐもの―
出口智之  77
永井荷風『あめりか物語』は「日本文学」か?
日比嘉高  92
田舎教師の復讐 ─田山花袋『田舎教師』における自己肯定の方法―
永井聖剛 108
恐怖の転移 ─志賀直哉『祖母の為に』を中心に―
後藤聡子 124
封じられた舞台 ─文芸協会「故郷」以後の女優評価をめぐって―
小平麻衣子137
芥川龍之介とW・モリス『News from Nowhere』
 ─モリス受容を媒介とした〈美学イデオロギー〉分析―
藤井貴志 152
「探偵小説」以前 ─佐藤春夫『指紋』における〈謎解き〉の枠組み─
生方智子 168
郷土芸術・田園・地方色
椋棒哲也 182
「春琴抄」における文楽 ─谷崎潤一郎の〈芸人〉観―
佐藤淳一 197
虚構あるいは小説の生成 ─谷崎潤一郎『春琴抄』論―
中村ともえ212
「私」を綴る「ひとびと」
─一九五〇年代における「生活綴方運動」をめぐって―
中谷いずみ226
小松川事件の「表象」と大江健三郎の『叫び声』
兪承昌  240
翻訳の歴史と〈歴史〉の翻訳 ─井上靖『天平の甍』の中国語訳について―
孫軍悦  254
風景と身体 ─安部公房/勅使河原宏映画「砂の女」論―
友田義行 270
中上健次『日輪の翼』における移動 ─非「仮母」としての老婆たち―
倉田容子 286
書評論文
「主体」と「小説」
 ─山本良『小説の維新史 小説はいかに明治維新を生き延びたか』を読む―
木戸雄一 301
昭和初期のモダニズム詩全体の解読にむけて
 ─田村圭司著『吉田一穂 究極の詩の構図』を読む―
澤正宏  309
歴史的・文化的文脈に開かれる作家論/自閉してゆく作品分析
 ―小林美恵子著『昭和十年代の佐多稲子』を読む―
根岸泰子 317
《不断の運動体 》の軌跡
 ―花田俊典氏『坂口安吾生成』をめぐる作品論的断章―
小林真二 325
研究ノート
   今東光研究補遺
矢野隆司 333
   第二次『早稲田文学』の創刊と金尾文淵堂
石塚純一 341
   『細雪』と『源氏物語』 ―文化の終焉と医学的言説―
神田龍身 352
   目を疑うものと目を疑わないもの
木下直之 363
展望
   アヴァンギャルド研究の現在 ―可能性と課題―
疋田雅昭/宮内淳子/大谷省吾/西垣尚子
鈴木貴宇/十重田裕一/藤本寿彦/塚原史  370
   ヨーロッパ・フランス語圏における日本近代文学研究の現状
二宮正之 401
   女性文学雑感 ―〈日中女性文学シンポジウム〉に寄せて―
山崎眞紀子409
   ポストコロニアリズムと東アジアの脱植民地化という課題
本橋哲也 416
   パネル発表の経験から―二〇〇五年度秋季大会の試み―
佐々木亜紀子/佐野正人/飯田祐子/種田和加子 426
執筆ノート
磯佳和/遠藤祐/山口俊雄/渡邊澄子/水川隆夫/佐藤泉/島村輝/鈴木章吾/林淑美
大本泉/勝又浩/一柳廣孝/外村彰/秋山勇造/秋山公男/佐藤伸宏/荒井真理亜
内藤千珠子/佐々木雅發/秋山稔/岡野裕行/和田勉/羽鳥徹哉/谷口絹枝
林尚男/菱川善夫/佐藤裕子/松本徹/生井知子/赤尾勝子/金子明雄/永淵道彦
國中治/黒古一夫/南富鎭/菅聡子/永岡健右
445
日本近代文学会
第75集 (2006年 平成18年 11月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
花圃と鉄幹をめぐる問題系 ─「亡国の音」前後─
関礼子    1
明治俳諧の「余情」と「只言」 ─三森幹雄と正岡子規の応酬から─
青木亮人   16
漱石から見た「マス衆」 ─明治四十年の雲右衛門人気を軸として─
山口比砂   32
「小曲」ジャンルと北原白秋
 ─雑誌メディアにおける〈地方〉読者と詩人達─
畑裕哉    46
「西郷隆盛」論 ─見ることと記憶・認識の揺らぎ─
五島慶一   61
大逆事件と谷崎潤一郎
 ─回帰するスキャンダルと『神と人との間』をめぐって─
内藤千珠子  75
大正期における堀口大學の翻訳
土屋聡    87
佐藤春夫「女誡扇綺譚」論 ─或る〈下婢〉の死まで─
河野龍也  103
戦略としての「朝鮮」表象
 ─中野重治「雨の降る品川駅」の無産者版から─
高榮蘭   119
〈肉体〉の増殖、欲望の門 ─田村泰次郎「肉体の門」の受容と消費─
天野知幸  135
小特集 シンポジウム「それぞれの〈近代〉〈文学〉─交差する東アジア─」
韓国文学の近代性を問い直す
 ─李人稙の『血の涙』と李光洙の『無情』を中心に─
金京媛   151
もう一つの「閉塞時代」の精神史
 ─龍瑛宗・台湾戦前小説にみられるコロニアルな主体の形成─
呉叡人   167
「にっぽんを逆さに吊す」─来たるべき沖縄文学のために─
新城郁夫  179
韓国・台湾・沖縄の文学との交差
中根隆行  192
研究ノート
  『学海余滴』一斑
松本常彦  198
  上海小新聞の一記事から中日文壇交渉を探る
   ─谷崎潤一郎・芥川龍之介の上海体験の一齣─
秦剛    206
  トランスナショナリズムと
  翁久允の「コスモポリタンは語る」
クリスティーナ・バシル 216
  『決定版三島由紀夫全集』のこと
佐藤秀明  225
展望
  「近代日本文学」と「Modern Japanese Literature」の間 ─夢の浮橋の行方─
マイケル・ボーダッシュ    232
  日本近代文学の現在と将来
チャールズ・シロー・イノウエ 239
  海外で日本語で発表するということ
   ─EAJSの国際会議に触れながら─
吉田司雄 247
  日韓合同日本近代文学研究会の五年間
上田正行 254
  戦時上海の文学研究の地平を広げるために
大橋毅彦 261
書評
  山口俊雄著『石川淳作品研究─「佳人」から「焼跡のイエス」まで』
狩野啓子 268
  林淑美著『昭和イデオロギー─思想としての文学』
西川長夫 271
  内藤千珠子著『帝国と暗殺─ジェンダーからみる近代日本のメディア編成』
朴裕河  275
  佐々木雅發著『独歩と漱石─汎神論の地平─』
出原隆俊 279
  島田隆輔著『宮沢賢治研究 文語詩稿・叙説』
秋枝美保 283
  國中治著『三好達治と立原道造─感受性の森』/野村聡著『立原道造』
勝原晴希 287
  南富鎭著『文学の植民地主義 近代朝鮮の風景と記憶』
五味渕典嗣 293
  中村三春著『係争中の主体 漱石・太宰・賢治』
日比嘉高 297
  坪井秀人著『感覚の近代─声・身体・表象』
中山昭彦 301
  尾西康充著『近代解放運動史研究 梅川文男とプロレタリア文学』
鶴見太郎 305
  関谷博著『幸田露伴論』
須田千里 309
  安元隆子著『石川啄木とロシア』
木股知史 313
  千葉眞郎著『石橋忍月研究─評伝と考証─』
林原純生 317
  峯村至津子著『一葉文学の研究』
山本欣司 321
  神山彰著『近代演劇の来歴 歌舞伎の「一身二生」』
林廣親  325
  羽鳥徹哉著『作家の魂─日本の近代文学─』
勝又浩  329
  野田康文著『大岡昇平の創作方法─『俘虜記』『野火』『武蔵野夫人』』
花﨑育代 333
紹介
  泉鏡花研究会編『論集 泉鏡花 第四集』
早川美由紀 337
  古閑章著『梶井基次郎の文学』
大塚常樹 338
  高瀬真理子著『室生犀星研究 小説的世界の生成と展開』
二瓶浩明 339
  川端俊英著『島崎藤村の人間観』
下山嬢子 340
  鷺只雄著『芥川龍之介と中島敦』
宮坂覺  341
日本近代文学会
第76集 (2007年 平成19年 5月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
〈反戦小説〉の根底 ─泉鏡花「海城発電」とナショナリズム─
松田顕子  1
成型される透谷表象
   ─明治後期、〈ヱルテリズム〉の編成とその磁場─
黒田俊太郎  16
「暗示」実験としての漱石短篇
   ─「一夜」「京に着ける夕」『永日小品』─
佐々木英昭  32
趣味は遺伝するか ─夏目漱石「趣味の遺伝」論
神田祥子  46
森田草平における作家活動の軌跡について
   ─「煤烟」と「自叙伝」評を中心に
髙野奈保  61
岩野泡鳴「猫八」に見る〈笑い〉の近代文学
   ─〈有情滑稽〉に潜む批評精神―
鷲﨑秀一  77
堀辰雄「眠りながら」とジャン・コクトオ
宮坂康一  92
モダニズム精神の軌跡 ─リルケの事物詩受容を中心に
岩本晃代 106
「象徴」による無意識表出の試み ─川端康成「水晶幻想」論─
小林洋介 121
‘Kokoro(Le pauvre coeur des hommes)’(仏訳『こゝろ』)出版の周辺
   ─国際文化交流における文学─
山本亮介 137
大東亜文学者大会の理念と実相
   ─第一回大東亜文学賞受賞作・庄司総一『陳夫人』を視座として─
楠井清文 153
〈歴史と文学〉のなかで ─石川淳『森鴎外』における史伝評価
若松伸哉 169
三島由紀夫『仮面の告白』論─書くことの倒錯
梶尾文武 183
テクスト内存在によるテクスト創造は可能か?
   ─岡田淳『扉のむこうの物語』における「物語批判」の問題─
井上乃武 199
研究ノート
  近代〈座談会〉研究 ─『文藝春秋』座談会まで─
森岡卓司 213
  漱石のロンドン大学経験をめぐって
ファリア・アンナ・マリエ 223
  永井荷風と雑誌『太西洋』─「夜の女」の初出をめぐって─
   〔付〕『太西洋』第一号~第三号目次
佐藤麻衣 231
  『徳田秋聲全集』完結について
小林 修 241
  「サークル村」復刻の射程
坂口 博 248
  「文藝時評」への一視点
   ─ゆまに書房『文藝時評大系』の編集に参加して─
中島国彦 257
展望 小特集 研究の評価軸を問い直す Ⅰ
  研究者が研究者の論文を評価するということ
宗像和重 264
  二年間の学会運営を終えて─口頭発表の意義・運営のあり方など
石割 透 270
  「小さく入って大きく抜ける」という戦略
安藤 宏 277
  プロレタリア文学─世界を見通すにあたって、それがなぜ大切なのか
ヘザー・ボーウェン-ストリュイク 283
  タイにおける日本文学受容と研究 ─その変遷と展望─
ナムティップ・メータセート 294
  北米における日本近代文学研究
 ─女性文学研究・大衆文学研究を通して
ドラージ土屋浩美 311
イヴェント・レヴュー
  「森鴎外と美術」展 ─近代日本における油彩画の変遷─
安田 孝 319
  シンポジウム「江戸から明治へ─仮名垣魯文を中心として─」と特別展「仮名垣魯文百覧会」
加藤禎行 323
  北九州市立文学館オープン ─文学館の可能性を求めて─
今川英子 327
  大衆性とは何か
  ─立教大学国際国際シンポジウム「21世紀の日本文学研究」より─
王  成 331
  あいまいな表象と表現
  ─国文学研究資料館 第三十回 国際日本文学研究集会
栗田香子 335
  文学館の役割 ─貴司山治展とブンガクな時代展をめぐって─
鳥羽耕史 339
書評
  佐藤伸宏著『日本近代象徴詩の研究』
  九里順子著『明治詩史論 透谷・羽衣・敏を視座として』
傳馬義澄 343
  竹松良明著『阿部知二論─〈主知〉の光芒─』
森本 穫 348
  中村三春著『修辞的モダニズム─テクスト様式論の試み』
坪井秀人 352
  花田俊典著『沖縄はゴジラか─〈反〉・オリエンタリズム/南島/ヤポネシア─』
宮城公子 357
  勝原晴希編『『日本詩人』と大正詩〈口語共同体〉の誕生』
池川敬司 361
  西田谷洋著『認知物語論とは何か?』
跡上史郎 365
  綾目広治著『批判と抵抗 日本文学と国家・資本主義・戦争』
佐藤 泉 370
  野村幸一郎著『小林秀雄 美的モデルネの行方』
関谷一郎 375
紹介
  白樺文学館編『いま中国によみがえる小林多喜二の文学』
楜沢 健 379
  石田仁志・渋谷香織・中村三春編『横光利一の文学世界』
野中 潤 380
  横瀬隆雄著『横瀬夜雨と長塚節─常総の近代文学雑考─』
山本康治 381
  玉村 周著『横光利一─瞞された者─』
掛野剛史 382
  宮薗美佳著『「漾虚集」論考─「小説家夏目漱石」の確立』
木村 功 383
  尾西康充著『北村透谷研究─〈内部生命〉と近代日本キリスト教─』
永渕朋枝 384
  水田宗子・長谷川啓・北田幸恵編『韓流サブカルチュアと女性』
久米依子 385
  山口俊雄編『太宰治をおもしろく読む方法』
木村小夜 386
  平岡敏夫著『もうひとりの芥川龍之介』
庄司達也 387
  和田博文ほか著『言語都市ベルリン1861‐1945』
林 正子 388
日本近代文学会
第77集 (2007年 平成19年 11月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
男たちの挽歌 ─『闇中政治家』と民権志士のホモソーシャリティ─
浅野正道  1
晶子と寛、大逆事件の深き傷跡
   ─〈新資料〉沖野岩三郎宛、晶子紀州旅行の礼状─
塚本章子  17
「変態」としての「不良」─谷崎潤一郎「肉塊」・里見弴「多情仏心」─
古川裕佳  32
〈変態〉言説と探偵小説 ─谷崎潤一郎「青塚氏の話」論─
永井敦子  47
坂口安吾「風博士」論
   ― 福本イズム・小谷部全一郎・浪漫的英雄主義の内在批判 ―
山根龍一  61
坂口安吾と「新らしい人間」論
宮澤隆義  76
「死者は生きている」 ─大岡昇平『野火』論─
立尾真士  92
山田風太郎と読書文化 ─戦後派探偵作家の〈教養〉の行方
谷口 基 108
武田泰淳的リアリズムの生成
   ─小説「秋風秋雨人を愁殺す 秋瑾女士伝」の方法─
郭  偉 124
押井守『イノセンス』論 ─素子の暴力表象をめぐって
水川敬章 139
資料室
岡本かの子全集未収録短歌並びに『愛のなやみ』所収短歌の初出について
下岡友加 154
小特集 シンポジウム「再生産される作家イメージとその強度」
コンテクストからテクストへ
   ─緑雨校訂・一葉「棹の雫」から見えてくるもの─
関 礼子 159
反権威言説の現代的配置
佐藤 泉 168
表現機構としての”作者”
安藤 宏 180
「作者」についての提起 ─『仮面の告白』を例として─
佐藤秀明 188
研究ノート 改造社研究の現在
  山本実彦旧蔵・川内まごころ文学館所蔵『改造』直筆原稿研究について
紅野謙介 197
  作家を求める読者、読者を求める作家
     ─改造社主催講演旅行実地踏査の印象
杉山欣也 203
  旧改造社広告関係資料から何が見えるか
     ─メディアという表象とイデオロギー─
五味渕典嗣 211
デジタルアーカイヴと研究プロジェクトの時代の影印本
   ─国文学研究資料館編「リプリント日本近代文学」について─
木戸雄一 222
  東京大学総合図書館「鴎外文庫プロジェクト」について
河野至恩 229
展望 小特集 研究の評価軸を問い直すⅡ
  細部と全体
勝又 浩 237
  研究を評価することについての私見
小林幸夫 243
  〈歴史〉の縒り糸 ─ベンヤミンからみえる〝風景″
中山昭彦 249
  戦時下の新聞文芸記事 ─展望にかえて
奥出 健 257
  台湾における日本近代文学研究
   ―インフラ整備、あるいは越境と交渉をめぐる覚書―
川口隆行 263
イヴェント・レヴュー
  グローバル時代における文学・文化研究の新たな可能性
  「谷崎潤一郎パリ国際シンポジウム─境界を超えて」に参加して
鈴木登美 270
  中原中也生誕百年に思う ―いくつかのイベントに参加して―
加藤邦彦 277
  山梨県立文学館企画展「高村光太郎 いのちと愛の軌跡」
杉本 優 282
  二〇〇七年度日本近代文学会関西支部春季大会 シンポジウム 鉄道
   ─関西近代のマトリックス─
浅野 洋 286
  イタリア観の一世紀 ―旅と地と美―
  Immagini d’Italia in Giappone un secolo di testimonianze
内藤由直 290
  「文学のマテリアリズム ─出版・流通・移動」に参加して
中谷いずみ295
書評
  佐々木亜紀子著『漱石 響き合うことば』
石井和夫 299
  大原祐治著『文学的記憶・一九四〇年前後 昭和期文学と戦争の記憶』
綾目広治 304
  井上隆史著『三島由紀夫 虚無の光と闇』
久保田裕子 308
  坂本正博著『帰郷の瞬間 金井直『昆虫詩集』まで』
澤 正宏 312
  東郷克美著『佇立する芥川龍之介』
三嶋 譲 316
  山崎一穎著『森鴎外論攷』
須田喜代次 320
  浦田義和著『占領と文学』
鈴木直子 324
  和田敦彦著『書物の日米関係 リテラシー史に向けて』
大野亮司 328
紹介
  大井田義彰著『《文学青年》の誕生──評伝・中西梅花──』
榊 祐一 332
  濱川勝彦・半田美永・秦昌弘・尾西康充編『丹羽文雄と田村泰次郎』
田中励儀 333
  遠藤祐著『宮澤賢治の物語たち』
中地 文 334
  中山昭彦・吉田司雄編『機械=身体のポリティーク』
生方智子 335
  浦西和彦・堀部功夫・増田周子編『四国近代文学事典』
友重幸四郎 336
  柴田勝二著『漱石のなかの〈帝国〉 「国民作家」と近代日本』
佐藤裕子 337
  神谷忠孝・木村一信編『〈外地〉日本語文学論』
波潟 剛 338
  真銅正宏著『小説の方法 ポストモダン文学講義』
西田谷洋 339
日本近代文学会
第78集 (2008年 平成20年 5月15日発行)  ダウンロード
〈特集〉近代文学の図像学
「東京絵入新聞」の図像学――「金之助の話説」の成立まで
中丸宣明  1
思想としての木版和装本――「新作十二番」『此ぬし』の戦略――
富塚昌輝  19
三森幹雄と正岡子規の「眼」――明治俳諧における「写生」の位相――
青木亮人  36
人魚の形象――泉鏡花と鏑木清方――
吉田昌志  52
谷崎潤一郎における視覚的表現の二三の傾向について
金子明雄  70
川端康成『みづうみ』の図像学――「猿猴捉月図」の構図――
谷口幸代  86
花田清輝と桂ゆき――画家による装幀の一例として――
宮内淳子  98
〈論文〉
東京高等女学校の同窓生にみるシスターフッド
   ――清花女史「双ふた根もと竹だけ」に託されたもの――
白井ユカリ118
幸田露伴の歴史小説――「風流魔」の構想と成立に即して――
出口智之 134
芥川龍之介「シング紹介」論
   ――「愛蘭土文学研究会」との関わりについて
鈴木暁世 150
展開する第四次元――平戸廉吉の現代性と再評価――
権田浩美 165
五味康祐「喪神」から坂口安吾「女剣士」へ
   ――剣豪小説黎明期の典拠と方法――
牧野 悠 180
継続する戦争への抵抗――池沢聰「ガード」論
我部 聖 195
〈本当の事〉再考――大江健三郎『万延元年のフットボール』
服部訓和 211
「路地」なき後のアイデンティティ――中上健次『日輪の翼』論――
浅野 麗 227
「寓話」の強度――野田秀樹『オイル』を読む
嶋田直哉 243
[共同研究報告]『小学生全集』の世界観
宮川健郎/久米依子
藤本 恵/和田敦彦 258
〈研究ノート〉
「山田美妙関係手稿」のことなど
青木稔也 276
東北大学附属図書館「漱石文庫」について
木戸浦豊和 283
ライトノベル研究会の現在
   ――メディアミックスの中から見えてくるもの――
大島丈志 296
〈展望〉
  リテラシーの歴史を考えるには
和田敦彦 304
  SF研究の現在
巽 孝之 311
  中国人にとっての日本文学の魅力――日本文化の一環として――
王  敏 318
〈イヴェント・レヴュー〉
  澁澤龍彦、没後二〇年目の再生
小倉 斉 328
  第二回国際芥川龍之介学会大会(中国・寧波大学)
伊藤一郎 332
  日本近代文学館の記念行事「近代文学の至宝」展
宇治土公三津子 337
  「埴谷雄高『死霊』展」――神奈川県立近代文学館――
水沢不二夫 342
  ローカル化とグローバル化のあいだで――北京日本学研究センター 二〇〇七年国際シンポジウム
   「二十一世紀における北東アジアの日本研究」――
小林 実 346
〈書評〉
  菅本康之著『モダン・マルクス主義のシンクロニシティ
大和田茂 351
        ――平林初之輔とヴァルター・ベンヤミン』
  下岡友加著『志賀直哉の方法』
  宮越勉著『志賀直哉 暗夜行路の交響世界』
伊藤佐枝 355
  渡辺善雄著『鴎外・闘う啓蒙家』
酒井 敏 361
  古川ちかし・林珠雪・川口隆行編著『台湾・韓国・沖縄で日本語は何をしたのか 言語支配のもたらすもの』
  垂水千恵 365
  鳥羽耕史著『運動体・安部公房』
重松恵美 370
  南明日香著『永井荷風のニューヨーク・パリ・東京 造景の言葉』
中澤千磨夫 374
  北田幸恵著『書く女たち 江戸から明治のメディア・文学・ジェンダーを読む』
  佐伯順子 378
  朴裕河著『ナショナル・アイデンティティとジェンダー――漱石・文学・近代』
  田口律男 383
〈紹介〉
  仲秀和著『『こゝろ』研究史』
北川扶生子 388
  塩浦彰著『荷風と静枝――明治大逆事件の陰画』
中村良衛 389
  宮崎真素美・遠山一郎・山口俊雄著『言葉の文明開化――継承と変容――』
竹本寛秋 390
  尾西康充著『椎名麟三と〈解離〉――戦後文学における実存主義』
山口俊雄 391
  佐藤公一著『小林秀雄のコア――文学イデオローグ――』
樫原 修 392
  藤本寿彦著『幸田文「わたし」であることへ――「想ひ出屋」から作家への軌跡をたどる――』
  西 荘保 393
  高橋昌子著『藤村の近代と国学』
神田重幸 394
日本近代文学会
第79集 (2008年 平成20年 11月15日発行)  ダウンロード 
〈論文〉
風景と所有権 ――志賀と独歩の文学、蘆花の文学
藤森 清  1
平民主義の興隆と文学 ――国木田独歩『武蔵野』論――
木村 洋  15
勝手口から戦場へ ――泉鏡花「勝手口」試論――
秋山 稔  30
閨秀文学会の源流としての〈穏健な女子教育〉
 ――『新天地』におけるイプセン受容の両義性――
徳永夏子  45
明治天皇「御ぎよ製せい」のポリティクス
松澤俊二  59
花々の闘う時間
 ――近代少女表象形成における『花物語』変容の位置と意義――
高橋重美  75
「兵士の歌」と水平線 ――鮎川信夫の〈原点〉の座標――
田口麻奈  91
動物とファシズム ――大江健三郎「奇妙な仕事」論
村上克尚 108
〈研究ノート〉
  「郷土文学」雑考 ――文学における中央と地方の問題
松本博明 123
〈展望〉
  二〇〇八年の「蟹工船」現象 ――その背景と展開
島村 輝 131
  プロレタリア文学と現在
   ――世界を分析し、オルタナティヴを模索する――
竹内栄美子 138
  二十世紀の日本詩と女性 ――日本女性詩人集を編集英訳して
佐藤紘彰 144
  イタリアにおける日本文化、文学の受容について
井内梨絵 152
〈イヴェント・レヴュー〉
  特別企画展「有島三兄弟―それぞれの青春」に想う
片山晴夫 159
  「石川淳と戦後日本―国際日本文化研究センター
  第三十四回国際研究集会・オハイオ州立大学協賛―」に参加して
吉本弥生 163
  「寺山修司 劇場美術館1935-2008」展
   ――没後二十五年の寺山修司――
守安敏久 168
〈書評〉
  木谷真紀子著『三島由紀夫と歌舞伎』
  杉山欣也著『「三島由紀夫」の誕生』
有元伸子 172
  関 肇著『新聞小説の時代 メディア・読者・メロドラマ』
山田俊治 178
  木股知史著『画文共鳴――『みだれ髪』から『月に吠える』へ』
藤本寿彦 183
  安 智史著『萩原朔太郎というメディア――ひき裂かれる近代/詩人』
堤 玄太 187
  小平麻衣子著『女が女を演じる 文学・欲望・消費』
菅 聡子 194
  山本亮介著『横光利一と小説の論理』
掛野剛史 198
  永井聖剛著『自然主義のレトリック』
新保邦寛 202
  山崎正純著『丸山眞男と文学の光景』
千葉一幹 206
〈紹介〉
  真銅正宏著『食通小説の記号学』
大本 泉 210
  新・フェミニズム批評の会『明治女性文学論』
平田智子 211
  中村美子著『夏目漱石絶筆『明暗』における「技巧」をめぐって』
矢田純子 212
  石川 巧著『「国語」入試の近現代史』
木村友彦 213
  竹村民郎・鈴木貞美編『関西モダニズム再考』
竹松良明 214
  木村一信著『不安に生きる文学誌――森鴎外から中上健次まで――』
石﨑 等 215
  徳永光展著『夏目漱石『心』論』
松村 良 216
  加藤孝男著『近代短歌史の研究』
太田 登 217
  黒澤亜里子編著『往復書簡宮本百合子と湯浅芳子』
菅井かをる 218
  川口隆行著『原爆という問題領域プロブレマティーク』
川津 誠 219
  平岡敏夫著『夕暮れの文学』
鷺 只雄 220
日本近代文学会
第80集 (2009年 平成21年 5月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
貧困の逆説 ――葛西善蔵「贋物さげて」論
伊藤 博    1
戦略としての〈売文〉小説 ――芥川龍之介「葱」試論――
大西永昭   20
「ナンセンス」の批評性 ――一九三〇年前後の井伏鱒二――
滝口明祥   36
林房雄『青年』における本分異同の戦略 ――国民文学への道――
内藤由直   52
『少女の友』のコミュニティーと川端康成「美しい旅」――〈障害者〉から〈満洲〉へ――
三浦 卓   67
永井荷風と占領期〈検閲〉――『罹災日録』を視座として――
岸川俊太郎   83
庄野潤三作品における「樹木」と作家の転機 ――「夫婦小説」から「夕べの雲」まで――
谷川充美   99
サド裁判論 ――澁澤龍彦の戦術とその意義をめぐって
水川敬章   115
安部公房『他人の顔』における身体加工 ――共同体・皮膚の言語・他者――
友田義行   131
循環する水 ――目取真俊「水滴」論――
村上陽子   147
〈研究ノート〉
  岡本敬之助と九代目市川団十郎の交友
丹羽みさと   161
  「Japan and America」――邦人発行の英字雑誌をめぐって――
佐藤麻衣   171
〈パネル発表〉
  石原純とは誰だったのか ――パネル発表の報告と課題――
紅野謙介   179
  [共同研究報告]〈全集〉出版と読者 ――改造社を中心に  188
  改造社『現代日本文学全集』の広告戦略とその実態 ――「現代日本文学全集講演映画大会」を中心に
庄司達也   189
  昭和改元前後の『改造』 ――大衆化するメディア、広告化する『改造』
杉山欣也   195
  〈全集〉出版のポリティクス
山岸郁子   198
  戦前期日本ペンクラブをめぐる諸問題
目野由希   202
〈展望〉
  閉域から脱して
綾目広治   210
  フラット文学論序説
押野武志   217
〈イヴェント・レヴュー〉
  絵葉書による友情
   ――「志賀直哉をめぐる人々展」および『志賀直哉宛書簡集 白樺の時代』について
山口直孝   224
  「若き久米正雄・芥川龍之介・菊池寛」展から
   ――第四次『新思潮』の草稿・原稿・校正刷をめぐって――
宗像和重   228
  小島信夫展(二〇〇八年六月十三日―十二月二十五日 岐阜県図書館)
  ――「裸木」にエロスを垣間見る
近藤耕人   233
  現代日本は「乱世」であるのか
  ――「堀田義衛展 スタジオジブリが描く乱世。」を観て――
日置俊次   237
  山梨県立文学館「飯田龍太展」
橋本 直   241
〈書評〉
  岡野幸江著『女たちの記憶 〈近代〉の解体と女性文学』
鈴木正和   244
  平澤信一著『宮沢賢治《遷移》の詩学』
  池川敬司著『宮沢健治との接点』
大沢正善   248
  岩見照代著『ヒロインたちの百年 文学・メディア・社会における女性像の変容』
藤木直美   253
  尾西康充著『田村泰次郎の戦争文学――中国山西省での従軍体験から』
曾根博義   257
  綾目広治著『理論と逸脱 文学研究と政治経済・笑い・世界』
石川 巧   261
  山田有策著『再生の近代 戦後という文体』
小森陽一   265
  伊狩 弘著『島崎藤村小説研究』
永井聖剛   269
〈紹介〉
  山崎眞紀子著『村上春樹の本文改稿研究』
  明里千章著『村上春樹の映画記号学』
山田夏樹   273
  綾目広治・大和田茂・鈴木斌編『経済・労働・格差――文学に見る』
菅本康之   275
  外村彰編『高祖保書簡集 井上多喜三郎宛』
小関和弘   276
  大橋毅彦他編著・注釈『上海1944-1945 武田泰淳『上海の螢』注釈』
郭  偉   277
  宇佐見毅・千田洋幸編『村上春樹と一九八〇年代』
米村みゆき   278
  島崎市誠著『論集 中野重治』
村田裕和   279
日本近代文学会
『日本近代文学』第81集~第86集
次のページへ