『日本近代文学』総目次

『日本近代文学』第61集~第70集

第61集~第70集

第61集~第70集

第61集 (1999年 平成11年 10月15日発行)  ダウンロード
〈特集〉 文学の「場」 ―「受容」と「研究」のはざま―
明治十年代末期における「唱歌/軍歌/新体詩」の諸相
榊祐一  1
“芸術”の成型 ―〈美術〉と〈文学〉の場および抱月・花袋・天渓―
中山昭彦  14
『心』における公表問題のアポリアー ―虚構化する手記
松澤和宏  29
宮沢賢治と〈映画的〉想像力 ―同時代映画を起点として―
平澤信一  43
映画と遠ざかること ―谷崎潤―郎と『春琴抄』の映画化―
城殿智行  59
〈あのれきしあ〉と〈ぶりみあ〉は語る
  ―摂食障害と映画・小説・マンガそして詩―
坪井秀人  73
個と普遍の認識 ―『小説神髄』の陰画―
山本良  89
『化銀杏』についての一考察 ―同時代の衛生思想との関連において―
三品理絵 103
森鷗外『金毘羅』論 ―「青い花」の余香―
大塚美保 119
二十世紀が封印したもの ―『夜明け前』の平田学認識とその背景―
高橋昌子 131
国枝史郎「神州纐纈城」試論
清水潤 144
太宰治「フォスフォレッセンス」論
大國眞希 158
展望 中国で「日本近代文学」を語ることの奇妙な捩れ
田口律男 172
   インターネットと研究
八木恵子 178
   大学をとりまく諸問題 ―文学研究・教育・文学部解体―
山崎一穎 184
研究ノート
   子規という先達
谷川恵一 191
   日本近代文学館編『文学者の日記』について
曾根博義 194
   注釈という読み方
石原千秋 198
書評 歴史的であること ―最近の中野重治研究者・評論集について―
佐藤健一 202
ブックレビュー
   北川秋雄著『一葉という現象 ―明治と樋口一葉』
出原隆俊 211
   赤井恵子著『漱石という思想の力』
小倉脩三 212
   石原千秋著『漱石の記号学』
   小森陽―・石原千秋編『漱石を語る』1・2
一柳廣孝 213
   大竹雅則著『漱石 その遐なるもの』
藤尾健剛 214
   堀江信男著『石川啄木 ―地方、そして日本の全体像への視点―』
太田登 215
   千葉正昭著『記憶の風景 ―久保田万太郎の小説―』
中村三代司 216
   原善著『川端康成 ―その遠近法―』
片山倫太郎 217
   田村充正・馬場重行・原善編『川端文学の世界1~5』
小菅健一 218
   竹内栄美子著『中野重治〈書く〉ことの倫理』
木村幸雄 219
   村田秀明薯『中島敦『李陵』の創造 ―創作関係資料の研究―』
山下真史 220
   岩本晃代著『蔵原伸二郎研究』
安藤靖彦 221
   持田叙子著『折口信夫 独身漂流』
高橋広満 222
   宮内洋淳子著『藤枝静男論 タンタルスの小説』
平野栄久 223
   和田勉著『古井由吉論』
芹澤光興 224
   野村喬著『傍流文学論』
今村忠純 225
   秋山公男著『近代文学 弱性の形象』
花田俊典 226
   分銅惇作編『近代文学論の現在』
大屋幸世 227
   渡邉正彦著『近代文学の分身像』
浜田雄介 228
   島村輝著『臨界の近代日本文学』
小関和弘 229
   和田博文著『テクストのモダン都市』
中沢弥 230
   半田美永著『伊勢志摩と近代文学』
首藤基澄 231
   寺本喜徳編『山陰新開文芸記事総覧』(明治15年~大正元年)
池内輝雄 232
日本近代文学会

第62集 (2000年 平成12年 5月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
「素人」の時代の戦略 ―劇評家・饗庭篁村と三木竹二
神山彰  1
広津柳浪と泉鏡花 ―『親の因果』と「化銀杏」の関係―
吉田昌志  14
「汽車論」の隠喩 ―夏目漱石「草枕」をめくって―
加藤禎行  28
「趣味の遺伝」論
小橋孝子  42
「南京の基督」論 ―〈物語〉と語り手―
五島慶一  57
『冥途』にさすらうことば
山口徹  70
坂口安吾『吹雪物語』論序説 ―〈ふるさと〉を語るために―
大原祐治  84
「デンドロカカリヤ」と前衛絵画 ―安部公房の「変貌」をめぐって―
鳥羽耕史  98
記憶する男 記憶をつかさどる女 記憶の絶滅 ―三島由紀夫の「記憶の編成」―
柳瀬善治 112
〈文字〉という「ことば」 ―李良枝『由熈』をめぐって
上田敦子 128
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
シンポジウム 文化研究の可能性 ―『こゝろ』を素材にして―
司会者からの基調報告
(司会)大杉重男 144
明治の精神と心の自律性
大澤真幸 150
読む・書く・死ぬ ―夏目漱石『こゝろ』のオペレーション―
大野亮司 166
表象テクストと断片性
 ―ポストモダニズムとカルチュラル・スタディーズとの「節合」をめぐって―
中村三春 182
討論
(司会)城殿智行 193
展望 大学における日本文学研究・教育の現状と将来
石田忠彦 219
研究ノート
   全集作り ―『定本佐藤春夫全集』に即して―
須田千里 226
   長崎原爆への一視点
長野秀樹 231
書評 新資料の発掘と文学研究―鷗外・一九九九年の研究状況を踏まえつつ―
須田喜代次 234
   文学研究の位置と感情 ―プロレタリア文学とモダニズムを繋ぐ―
中川成美 241
   「生誕百年」の川端康成
高橋真理 250
ブックレビュー
   泉鏡花研究会編『論集 泉鏡花 第三集』
三品理恵 258
   加藤二郎著『漱石と禅』
内田道雄 259
   石内徹著『荷風文学考』
網野義紘 260
   佐々木英昭編注 根岸正純共同注釈
     『日文研叢書18 詳注煤煙 森田草平 原著』
岩見照代 261
   米山禎一著『『白樺』精神の系譜』
大津山国夫 262
   上杉省和著『智恵子抄の光と影』
黒澤亜里子 263
   斉藤英雄著『山頭火・虚子・文人俳句』
瓜生鐡二 264
   松澤信祐著『新時代の芥川龍之介』
宮坂覺 265
   長野隆著『抒情の方法 朔太郎・静雄・中也』
勝原晴希 266
   浦西和彦著『伊藤永之介文学選集』
北条常久 267
   長野隆編『シンポジウム太宰治 その終戦を挟む思想の転位』
樫原修 268
   松田良一著『山田詠美 愛の世界』
木股知史 269
   和田博文・大橋毅彦・真鍋正宏・竹松良明・和田桂子編
     『言語都市・上海 1840―1945』
田口律男 270
日本近代文学会

第63集 (2000年 平成12年 10月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
〈癩〉=「遺伝」説の誕生 ―進化論の移入と明治文学―
奈良崎英穂  1
「アイヌ」を象る文学
内藤千珠子  17
書を持て、旅に出よう ―明治三〇年代の旅と〈ガイドブック〉〈紀行文〉―
五井信  31
〈世界〉を憂える青年 ―斎藤野の人から武者小路実篤へ―
亀井志乃  45
〈赤光〉の時代 ―第一次大戦期の短歌表現―
中山弘明  60
横光利一「ある長篇」(『上海』)再考 ―和辻哲郎の思想を補助線に―
山本亮介  72
断絶された〈風景〉への対話 ―「空襲都日記」の「海野十三」―
吉川麻里  86
エイズの表象
木村功 100
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
シンポジウム 「戦争の記憶」
司会者からの趣旨説明
(司会)花崎育代 116
記憶の語り直し方
上野千鶴子 119
戦後文学の再検討
神谷忠孝 130
「戦後的」思考と記憶の修辞学
紅野謙介 135
戦争と記憶、一九七〇年前後
成田龍一 150
討論
(司会)杉浦晋 花崎育代 158
展望 大学における日本文学研究・教育の現状と将来
     ―いわゆる文系基礎学の存立について―
槙林滉二 181
   没後三十年を迎えた三島文学
井上隆史 188
   韓国における日本近代文学研究の現状
朴裕河 195
研究ノート
   文学史家の夢 ―漱石も鷗外も―
平岡敏夫 201
   デジタル時代の資料管理
青木稔弥 205
   日本統治期の韓国人作家と日本語
申銀珠 208
書評 「小説」(論)の越し方、行く末
     ―亀井秀雄著『「小説」論』および『明治文学史』をめぐって
梅澤宣夫 212
   泉鏡花論の現在 ―最新の論集・雑誌から―
種田和加子 221
   演劇・戯曲・文学 ―野村喬『點描演劇史』
     ・井上理恵『近代演劇の扉をあけるドラマトゥルギーの社会学』
森井直子 227
ブックレビュー
   山崎甲一著『芥川龍之介の言語空間』
清水康次 234
   竹盛天雄著『明治文学の脈 ―鷗外・漱石を中心に―』
        『學藝小品森鷗外/稲垣達郎』
清田文武 235
   三田英彬著『反近代の文学』
大野隆之 236
   林進著『三島由紀夫とトーマス・マン』
杉山欣也 237
   久保田暁一著『外村繁の世界』
外村彰 238
   川端文学研究会編『世界の中の川端文学』
石川巧 239
   高橋夏男著『流星群の詩人たち』
和田博文 240
   中川成美・長谷川啓編『高橋たか子の風景』
吉川豊子 241
   保昌正夫著『横光利一 ―菊池寛・川端康成の周辺―』
羽鳥徹哉 242
   近藤典彦著『啄木短歌に時代を読む』
小川武敏 243
   紅野敏郎著『文芸誌譚 ―その「雑」なる風景1910―1935』
江頭太助 244
   平岡敏夫著『漱石 ある佐幕派子女の物語』
相原和邦 245
   星野晃一著『犀星 句中游泳』
戸塚隆子 246
   真銅正宏著『ベストセラーのゆくえ 明治大正の流行小説』
木谷喜美枝 247
   大橋毅彦著『室生犀星への/からの地平』
一色誠子 248
   永平和雄著『江馬修論』
大井田義彰 249
   一條孝夫著『藤野古白と子規派・早稲田派』
金井景子 250
   西田谷洋著『語り 寓意 イデオロギー』
山田俊治 251
   山崎一穎著『森鷗外 明治人の生き方』
小林幸夫 252
   浅野洋・芹澤光興・三嶋譲編『芥川龍之介を学ぶ人のために』
溝部優実子 253
   前田久徳著『谷崎潤一郎 物語の生成』
千葉俊二 254
   ハワード・ヒベット+日本文学と笑い研究会編『笑いと創造 第二集』
守安敏久 255
   岡本勝人著『ノスタルジック・ポエジー戦後の詩人たち』
宮崎真素美 256
   平岡敏夫著『森鷗外 ―不遇への共感』
山崎國紀 257
   金子明雄・高橋修・吉田司雄編
     『ディスクールの帝国 ―明治三〇年代の文化研究』
関礼子 258
   酒井敏・原國人編『森鷗外論集 歴史に聞く』
野村幸一郎 259
   大塚常樹著『宮沢賢治 心象の記号論』
中地文 260
日本近代文学会


第64集 (2001年 平成13年 5月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
二葉亭四迷『浮雲』創作の目的論的契機とモデル作品 ―グリボエードフ『知恵の悲しみ』
  及びゴンチャロフ『断崖』からの借用形態について―
小林実  1
プロットと〈欲望〉のパラダイム
  ―田山花袋『蒲団』における「事件」をめぐる語り―
生方智子  15
〈紀行文〉の作り方 ―日露戦争後の紀行文論争―
佐々木基成  29
消えたラビリンス ―「玉の井」の政治学―
嶋田直哉  43
不在の回帰/回帰の不在 ―高橋新吉の戦後―
野本聡  59
梁石日「夜を賭けて」論 ―想像力の国境線は越えられるか―
宮沢剛  73
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
小特集 境界・交通としての〈翻訳〉 ―〈他者性〉をめぐって―
言語間翻訳をめぐる言説編成
榊原理智 [ 1]
  ―「たけくらべ」”Growing Up””Child’s Play”を視座として―
274
〈文化〉の政治学
朴裕河 [15]
  ―柳宗悦と近代韓国の自己構成をめぐって―
260
「翻訳の政治」
竹村和子 [29]
  ―誰に出会うのか―
246
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
展望 特集・日本近代文学会創立五十年 ―回顧と展望―
   先輩・友人たちとともに
紅野敏郎  89
   思い出すまゝ
藪禎子  93
   学会の歴史のなかで
山崎國紀 101
   「本質主義」という批判への疑問
江種満子 107
   「研究と批評の接点」以後
石井和夫 115
   「同じアホなら」踊らない! ―「何よりダメな」教員達―
関谷一郎 119
   五〇年史編纂で考えたこと
     ―記録保存・ウェッブ・データベース・研究動向
渡邉正彦 125
   フェミニズム・インターネット・文学研究
根岸素子 131
   「研究と批評」再び石原千秋
139
   『近代読者の成立』という生成する書物の可能性
金子明雄 147
   これからについて
飯田祐子 155
研究ノート
   北欧(ノルウェー)における「日本近代文学」研究
安倍オースタッド玲子 161
   『徳田秋聲全集のこと』
松本徹 167
   立原道造「鮎の歌」に関する新発見
     ―アンリエツトと〈北の道〉をめぐって―
渡部麻実 171
書評 歴史の作業の歴史性について
     ―鈴木登美『語られた自己』、小森陽一『日本語の近代』―
佐藤泉 177
   二十一世紀の漱石 ―「間テクスト性」の問題をめぐって―
佐藤裕子 185
   「歴史化」されるナショナリズム
田口律男 193
ブックレビュー
   長谷川啓責任編集『〈転向〉の明暗「昭和十年前後」の文学
川津誠 201
   須波敏子著『円地文子論』
山下若菜 202
   高木文雄著『六書校合 定本「坊つちゃん」』
大野淳一 203
   安川里香子著『森鷗外『北游日乗』の足跡と漢詩』
井澤恒夫 204
   中川成美著『語りかける記憶』
近藤裕子 205
   筑波大学文化批評研究会編
   『植民地主義とアジアの表象』『多文化社会における〈翻訳〉』
五味渕典嗣 206
   栗田靖著『河東碧梧桐の基礎的研究』
坪内稔典 207
   玉井敬之編『漱石から漱石へ』
松下浩幸 208
   秋山勇造著『明治翻訳異聞』
大沼敏男 209
   佐藤裕子著『漱石解読〈語り〉の構造』
丸尾実子 210
   平林一著『島崎藤村/文明論的考察』
中山弘明 211
   関口安義・庄司達也編『芥川龍之介全作品事典』
布施薫 212
   増田周子著・編『宇野浩二文学の書誌的研究』『宇野浩二書簡集』
蔀際子 213
   筑波大学近代文学研究会編『明治期雑誌メディアにみる〈文学〉』
和田敦彦 214
   勝呂奏著『荒野に呼ぶ声 ―小川国夫文学の樞奥―』
宮坂覺 215
   中島礼子著『国木田独歩 ―短編小説の魅力』
新保邦寛 216
   山田俊治・十重田裕一・笹原宏之編著
     『山田美妙『竪琴草紙』本文の研究』
甘露純規 217
   栗原敦著『詩が生まれるところ』
田村圭司 218
   小田島本有著『小説の中の語り手「私」』
松本修 219
   渡邊澄子編『女性文学を学ぶ人のために』
山崎眞紀子 220
   西原千博著『掘辰雄試解』
岡崎直也 221
日本近代文学会

第65集 (2001年 平成13年 10月15日発行)  ダウンロード
特集 解釈の政治学 ─注釈・翻訳・編集―
〈終り〉をめぐる政治学 ─『浮雲』の結末―
高橋修  1
第一次『明星』誌上の与謝野晶子 ─リテラシーとジェンダーの観点を中心に―
関礼子  14
海峡を越えた「国民文学」 ─朝鮮における「不如帰」の受容をめぐって―
権丁熙  30
「白衣」という表象
権錫永  44
「禅をする女」はどう読まれたか ―『草枕』と『煤煙』―
佐々木英昭  59
本文と注釈
須田千里  73
江戸川乱歩『幽霊搭』論 ─翻案テクストのストラテジー―
小松史生子  87
翻訳についての原理的考察 ─異文化論の陥穽―
綾目広治 103
近代文学と近代出版流通システム〔講演〕
小田光雄 116
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
歴史を語る芝居 ─明治初年~十年代における〈演劇〉と〈歴史〉―
吉岡亮 136
〈文芸と人生〉論議と青年層の動向
日比嘉高 150
やがて終わるべき同性愛と田村俊子 ─『あきらめ』を中心に―
浅野正道 163
〈理想的批評家〉の誕生 ─振る舞いとしての大正期文学論争―
大久保健治 179
「歴史」を書くこと ─坂口安吾「真珠」の方法―
大原祐治 193
展望 高等教育は何処へ行く
栗坪良樹 208
   〈口承〉研究といまここ ─「近代文学」としての「口承=文学」―
高木史人 215
   文学の身体、この紙、この炉
城殿智行 222
研究ノート
   「小説神髄」再読 ─所謂馬琴批判とされる文脈を主として―
中野三敏 229
   ジェンダー・フリー教育における国語教材の課題
     ─金井景子編著『ジェンダー・フリー教材の試み』をめぐって―
藤田和美 238
   交差する文化のはざまで
蕭幸君 245
書評 太宰治研究の現況
安藤宏 250
   相馬庸郎著『深沢七郎 ─この面妖なる魅力』
平野栄久 257
   兵藤裕己著『〈声〉の国民作家・日本』─「国民」という物語の対象化―
黒田大河 261
   山本芳明著『文学者はつくられる』
西田谷洋 265
   山田有策著『深層の近代 鏡花と一葉』
越野格 269
   品田悦一著『万葉集の発明 国民国家と文化装置としての古典』
木股知史 273
   藤井淑禎著『小説の考古学へ 心理学・映画から見た小説技法史』
江藤茂博 277
   海老井英次著『開化・恋愛・東京 漱石・龍之介』
林圭介 281
   江種満子・井上理恵編『20世紀のベストセラーを読み解く
     ─女性・読者・社会の100年―』 ─流行と女性性のはざまで―
真銅正宏 284
紹介 中尾務著『小島輝正ノート』
鈴木直子 288
   小田晋・栗原彬・佐藤達哉・曾根博義・中村民男編
     『『変態心理』と中村古峡』
永井太郎 289
   松本徹・佐藤秀明・井上隆史編
     『三島由紀夫事典』『三島由紀夫論集Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』
奈良崎英穂 290
   渡邊澄子著『青鞜の女・尾竹紅吉伝』
中山清美 292
   坪井秀人編著『偏見というまなざし 近代日本の感性』
木村功 293
   木村有美子著『内田魯庵研究 明治文学史の一側面』
片岡哲 294
   明里千章著『谷崎潤一郎 自己劇化の文学』
畑中基紀 295
   風穴眞悦著『地方文学史〓[ミ+玄]々』
坂敏弘 296
   越塚和夫著『無頼派とその周辺』
原卓史 297
   勝田和學著『流動する概念 ─漱石と朔太郎と─』
野呂芳信 298
   本多浩著『室生犀星伝』
篠崎美生子 299
   大屋幸世著『蒐書日記』(全二冊)
竹松良明 300
   山田吉郎著『前田夕暮研究 ─受容と創造─』
中西亮太 301
   酒井英行著『村上春樹 分身との戯れ』
   平野芳信著『村上春樹と《最初の夫の死ぬ物語》』
   村上春樹研究会編『村上春樹作品研究事典』
溝渕園子 302
   山敷和男著『芥川龍之介の芸術』
   佐藤嗣男著『芥川龍之介 ─その文学の、地下水を探る─』
   千石隆志著『芥川龍之介覚え書』
庄司達也 304
新刊案内
306
日本近代文学会

第66集 (2002年 平成14年 5月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
言文一致の忘れ物 ―敬体の言文一致文体をめぐって―
疋田雅昭  1
「冒険」を語り出す場 ―泉鏡花「黒百合」試論―
西川貴子  16
野口米次郎の翻訳言語 ―第一次大戦期の日本文化論―
中山弘明  30
谷崎潤一郎『武州公秘話』と読者 ―メディア戦略とその不可能性―
日高佳紀  43
詩と批評の精神 ―一九二七年の中原中也と小林秀雄―
長沼光彦  56
青年論をめぐる〈太宰治〉の昭和十年前後
松本和也  68
文学と「一九四五・八・一五」言説
  ―中野重治「被圧迫民族の文学」をてがかりに―
高榮蘭  82
「弁証法」と「修辞」、あるいは「弁証法」としての「修辞」
  ―花田清輝『自明の理』の思索―
渡邊史郎  97
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
特集・シンポジウム 「文学研究の領土性」
〈領土性〉に関する二、三の注釈 ―シンポジウムの議論の前提として―
坪井秀人 112
ポストコロニアリズムと様々な同一性の用法について
酒井直樹 117
脱領土化の戦術 ―記述にむけて(文学史・日本・黄禍論)
中山昭彦 130
文学研究の危機/批判? ―文化主義と文化研究の狭間で―
李孝徳 145
日本文学は誰のものか
岡真理 155
討論
(司会)出原隆俊 坪井秀人 162
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
小特集 〈流通〉からみる日本近代文学
出発期「文藝春秋」のメディア戦略
十重田裕一 185
流通する〈国家〉、複製される〈信濃〉 ―地域リテラシーと領土の表象―
和田敦彦 202
文学研究書出版はどうなるか ―〔出版のためのテキスト実践技法〕の必然性―
西谷能英 218
課題としての出版 ―新規・零細出版社から―
松本功 222
百万の消費者よりも五百の愛読者 ―九州の一出版社から―
坂口博 226
展望 全入時代の大学教育と文学研究について
太田登 230
   変化する市場への対応 ―日本近代文学の行方―
徳永光展 236
   (研究季評)世俗的批評の〈神学的次元〉
     ―「9・11」・「複数の戦後」―
柳瀬善治 242
研究ノート
   フランスにおける日本文学 ―翻訳と研究の近況報告―
坂井セシル 249
   日中女性文学の相互紹介に携わって
原善 257
   帝国の辺境から植民地のフロンティアへ
    ―中間英「人間の壁」における八重山と植民地台湾―
朱恵足 264
書評 岩淵宏子・北田幸恵・沼沢和子編『宮本百合子の時空』
島村輝 270
   すが秀実著『「帝国」の文学 ―戦争と「大逆」の間―』
大野亮司 273
   澤正宏著『詩の成り立つところ ―日本の近代詩、現代詩への接近―』
阿毛久芳 277
   南富鎮著『近代文学の〈朝鮮〉体験』
     ―植民地の幻影・憂鬱・メランコリー―
顧偉良 281
   鈴木貞美著『梶井基次郎の世界』
古閑章 284
   菅聡子著『メディアの時代 明治文学をめぐる状況』
紅野謙介 288
   江種満子著『大庭みな子の世界 アラスカ・ヒロシマ・新潟』
宮内淳子 292
   柴田勝二著『三島由紀夫 魅せられる精神』
井上隆史 296
   山田有策著『幻想の近代 逍遥・美妙・柳浪』
山田俊治 299
   浦西和彦著『現代文学研究の枝折』
林淑美 303
紹介 細矢昌武編著『田澤稻舟研究資料』
峯村至津子 307
   鈴木貞美編『雑誌『太陽』と国民文化の形成』
五井信 308
   今川英子編『林芙美子 巴里の恋』
中谷いずみ 309
   塚越和夫著『続続明治文学石摺考』
宇佐美毅 310
   秋山公男著『近代文学 美の諸相』
清水潤 311
   奥田弘著『宮沢賢治 研究資料探索』
秋枝美保 312
   小田切秀雄先生を囲む会編『小田切秀雄研究』
大塚博 313
   筑波大学近代文学研究会編『明治から大正へ ―メディアと文学』
内藤寿子 314
   干耀明著『周作人と日本近代文学』
瀧田浩 315
   竹内清己編『堀辰雄事典』
渋谷香織 316
   上田博著『石川啄木歌集全歌鑑賞』
   国際啄木学会編『石川啄木事典』
神田重幸 317
   和田芳英著『ロシア文学者昇曙夢&芥川龍之介論考』
矢本浩司 319
   黒古一夫著『小田実「タダの人」の思想と文学
桒原丈和 320
   佐藤泉著『漱石 片付かない〈近代〉』
田中愛 321
日本近代文学会

第67集 (2002年 平成14年 10月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
〈勇士〉の肖像 ─『日清戦争実記』と読者―
酒井敏  1
変貌する「一葉」 ─明治三十~四十年代における「一葉」語りの諸相―
小川昌子  15
物象化される〈内面〉 ─日露戦争前後の〈日記〉論―
佐々木基成  30
女中は軍人と結婚すべきか ─志賀直哉「佐々木の場合」―
古川裕佳  43
「魂」の亀裂 ─近松秋江「黒髪」試論―
森岡卓司  56
谷崎潤一郎『卍』(初出稿)におけるテキストの生成と変容
  ─昭和初年代の〈方言〉使用と〈他者〉認識―
宮崎靖士  70
論争する民衆詩派 ─白鳥省吾VS.北原白秋 その周辺―
安智史  85
ポエジイ・ポリティクス ─モダニスト保田與重郎の肖像―
西村将洋  99
板垣鷹穂と〈機械〉
  ─「機械のリアリズム」と「プチ・ブルジョワ・インテリゲンチャ」―
鈴木貴宇 144
旅人が見る故郷 ─風土記としての「津軽」―
山口浩行 128
展望 韓国と日本の国文学研究の交流について─韓国近代文学研究の立場から―
渡辺直紀 142
   《共同研究》にかんするささやかな提案
五味渕典嗣 148
   ”分析”=”記述”と”教養主義”の去就
中山昭彦 155
   教育改革、教科書、文学教育をめぐって考えること
金井景子 161
   漱石と「大逆」事件論争の行方
押野武志 168
研究ノート
   樋口一葉日記と千蔭流
鈴木淳 174
   「文学は注釈をつけるものではない」
宗像和重 181
   文学研究の政治性と経略性
南富鎮 188
   石川淳の〈辻小説〉 ─『北海道新聞』掲載の「平常心」について―
山口俊雄 195
書評 松井貴子著『写生の変容 ─フォンタネージから子規、そして直哉へ―』
藤森清 201
   細谷博著『小林秀雄論 ─〈孤独〉から〈無私〉へ』
関谷一郎 205
   戸松泉著『小説の〈かたち〉・〈物語〉の揺らぎ
     ─日本近代小説「構造分析」の試み』
石原千秋 209
   椎名麟三研究会編『論集 椎名麟三』
宮坂覺 214
   須藤宏明著『疎外論 ─日本近代文学に表れた疎外者の研究』
片山倫太郎 217
   山内由紀人著『神と出会う ─高橋たか子論』
須浪敏子 221
   清水良典著『笙野頼子 虚空の戦士』
中村三春 225
   関口安義著『恒藤恭とその時代』
篠崎美生子 229
   泉鏡花研究会編『論集 昭和期の泉鏡花』
吉田昌志 232
   日比嘉高著『〈自己表象〉の文学史 ─自分を書く小説の登場―』
金子明雄 236
   和田敦彦著『メディアの中の読者 ─読書論の現在』
井澤恒夫 239
   柴口順一著『大岡昇平と歴史』
根岸泰子 243
紹介 佐藤泰正編『戦争と文学』
榊佑一 247
   酒井敏・原國人編『森鷗外論集 出会いの衝撃』
瀧本和成 248
   浅田隆・和田博文編『文学でたどる世界遺産・奈良』
柳沢孝子 249
   張偉著『野間宏文学と親鸞 ─悪と救済の論理─』
野中潤 250
   池内輝雄・成瀬哲生著『露伴随筆『潮待ち草』を読む』
関口博 251
   岡野幸江・長谷川啓・渡邊澄子編『売買春と日本文学』
藤木直実 252
   和田博文・真銅正宏・竹松良明・宮内淳子・和田桂子著
     『言語都市パリ1862-1945』
南明日香 253
   川村湊・文学史を読みかえる会
     『「戦後」という制度 戦後社会の「起源」を求めて』
杉浦晋 254
   国文学研究資料館編『明治の出版文化』
青木稔弥 255
   梅本宣之著『高見順研究』
小沢孝明 256
   塚越和夫・千石隆志著『漱石論考』
杉田智美 257
   河合道雄著
     『武士のなったキリスト者 押川方義 管見(大正・昭和篇)』
水本精一郎 258
   飯田祐子編『『青鞜』という場 ─文学・ジェンダー・〈新しい女〉─』
山岸郁子 259
   秋山勇造著『明治のジャーナリズム精神 幕末・明治の新聞事情』
大塚香 260
   南富鎭著『近代日本と朝鮮人像の形成』
石田仁志 261
日本近代文学会

第68集 (2003年 平成15年 5月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
構成される「少女」 ―明治期「少女小説」のジャンル形成―
久米依子  1
主体を透明化させるための論理
  ―柳宗悦初期の〈科学〉をめぐる言説の持つ意味―
西山康一  16
われわれの内なる《アメリカ》 ―『痴人の愛』と〈排日移民法〉言説─
五味渕典嗣  34
「書く」行為の背後にあるもの ―宮沢賢治―
加藤邦彦  49
昭和十年前後の私小説言説をめぐって
  ―文学(者)における社会性を視座として―
松本和也  64
プロレタリアの娘・豊田正子 ―一九五〇年前後の〈書く〉場をめぐって―
中谷いずみ  78
近代文学のなかの短歌・短歌のなかの〈女〉 ―女歌論議をめぐって―
阿木津英  92
グランド・ゼロに立って〔講演〕
林京子 108
展望 谷崎潤一郎の「転換期」 ―『春琴抄』をめぐって―
水村美苗 118
   占領期雑誌データベースと雑誌『Intelligence』
山本武利 126
   「もの語り」の座標軸を立体化する
     ―メディア研究の視座から言と文の関係性を考える―
山口誠 130
   同じテクストを読む ―日本文学研究と日本文学―
中川成美 137
   二一世紀の中・日関係を築くために ―「日中・知の共同体の六年間」―
小森陽一 145
   で、どうしたいの?
跡上史郎 152
研究ノート
   「口承」oralityということ ―声、ことばの身体性―
兵藤裕己 158
   遠くからの声 ―中上健次の文字(書くこと)―
種田和加子 165
   共同体の〈声〉/複数の〈声〉 ―時局雑誌『声』と〈書く〉こと―
黒田大河 173
書評 花田俊典著『清新な光景の軌跡 ―西日本戦後文学史―』
新城郁夫 181
   『近代文学研究とは何か』刊行会編著
   『近代文学研究とは何か 三好好雄の発言』
田中実 185
   小森陽一著『歴史認識と小説 大江健三郎論』
石橋紀俊 189
   宮野光男著『有島武郎の詩と詩論』
佐々木さよ 192
   大塚美保著『鷗外を読み拓く』
青田寿美 195
   永渕朋枝著『北村透谷 ―「文学」・恋愛・キリスト教』
清水均 199
   槇林滉二著『槇林滉二著作集』第三巻
平岡敏夫 203
   伊藤氏貴著『告白の文学 森鷗外から三島由紀夫まで』
大久保健治 207
   栗田廣美著『死と飛躍・有島武郎の青春 ―〈優等生〉からの離脱―』
川上美那子 210
   紅野敏郎著『遺稿集連鎖 ―近代文学側面誌―』
谷沢永一 214
   澤正宏著『西脇順三郎のモダニズム「ギリシア的抒情詩」全篇を読む』
市川毅 218
   テレングト・アイトル著
     『三島文学の原型 ―始原・根茎隠喩・構造―』
山﨑義光 222
   米倉巌著『萩原朔太郎論攷 詩学の回路 回路の詩学』
山本康治 225
   樫原修著『小林秀雄 批評という方法』
細谷博 229
   長野隆著『長野隆著作集』(全三巻)
野呂芳信 232
   樋口一葉研究会編著『論集 樋口一葉Ⅲ』
中山和子 236
   清水孝純著『笑いのユートピア『我輩は猫である』の世界』
赤井恵子 239
   伊藤忠著『作品と歴史の通路を求めて 〈近代文学〉を読む』
森田健治 243
   山崎一穎著『森鷗外・歴史文学研究』
柴口順一 247
   山田俊治著『大衆文学がつくる明治の〈日本〉』
菅聡子 251
   飛ヶ谷美穂子著『漱石の源泉 創造への階梯』
小倉脩三 254
   大久保典夫著『岩野泡鳴の研究』
鎌倉芳信 258
   野村幸一郎著『森鷗外の歴史意識とその問題圏 ―近代的主体の構造―』
林正子 262
紹介 韓国日本近代文学会編著『日本近代文学 ―研究と批評― 1』
申銀珠 265
   鈴木健司著『宮沢賢治という現象 読みと受容への試論』
伊藤眞一郎 266
   橋本寛之著『都市大阪○文学の風景』
荒井真理亜 267
   高木伸幸著『井上靖研究序論 材料の意匠化の方法』
宮﨑潤一 268
   星野晃一編著『新生の詩』
竹本寛秋 269
   尾西康充・岡村洋子編著『プロレタリア詩人 鈴木泰治 作品と生涯』
佐藤健一 270
   水川隆夫著『漱石と仏教 則天去私への道』
加藤禎行 271
   半田美永著『佐藤春夫研究』
中村三代司 272
   布野栄一著『小林多喜二の人と文学』
松澤信祐 273
   村田秀明著『中島敦『弟子』の創造』
渡邊ルリ 274
日本近代文学会

第69集 (2003年 平成15年 10月15日発行)  ダウンロード
特集 「本文」の生成/「注釈」の力学
長田幹彦の位置 ―大正文学を長編小説の時代として〈注釈〉する―
山本芳明  1
『銀河鉄道の夜』の結末(第八三葉)を読む
   ―ミクロ・ジェネティックからマクロ・ジェネティックヘ―
松澤和宏  16
横光利一「面」(「笑はれた子」初出稿)の受容史―「本文」の流通と再生産―
島村健司  28
編集される本文 ―横光利一と「時間」の再検討―
十重田裕一  44
本文と注釈の問題 ―「決定版三島由紀夫全集」編集に関る立場から―
井上隆史  60
注釈としての〈削除〉 ―「山椒魚」本文の生成について―
戸松泉  74
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
「貧民窟」、その解釈と鑑賞の手引き
  ―明治二〇年代のスラム・ルポルタージュを巡って―
浅野正道  91
愛着の居場所、愛着という居場所
  ―志賀直哉初期作品に於ける男女の関係性をめぐって―
伊藤佐枝 108
左様なら。お君さん。 ―芥川龍之介「葱」と通俗小説―
五島慶一 123
家の交代劇 ―菊池寛『真珠夫人』における女主人公―
横濱雄二 138
新感覚派時代の横光利一 ―〈生活〉〈人生〉〈主観〉の磁場に抗して
掛野剛史 153
「母性」イデオロギーの中の「汽車のなか」
  ―中野重治における〈意味の反転〉―
兵頭かおり 168
金時鐘の詩を読む ―読むことの「自由」と書くことの不「自由」―
宮沢剛 182
展望 詩を選定すること、そして近現代詩研究の現在
阿毛久芳 200
   デジタルアーカイヴは「日本近代文学研究」を変えるか?
木戸雄一 207
   業界とジェンダー
内藤千珠子 214
研究ノート
   明治期地方新聞における再掲載作品の実態
浅岡邦雄 221
   著作目録を作るために ―泉鏡花・田中英光の場合―
田中励儀 229
   文学の認知的研究とは何か
西田谷洋 237
   「ありのまま」・「現世」・「世話」:〈近代小説〉という表象世界
上田敦子 245
書評 宮崎真素美著『鮎川信夫研究 ―精神の架橋―』
傳馬義澄 255
   吉田司雄・奥山文幸・中沢弥・松中正子・會津信吾・一柳廣孝・安田孝著
     『妊娠するロボット1920年代の科学と幻想』
湯浅篤志 259
   竹内清己著『日本近代文学伝統論 民族/芸能/無頼』
鷺只雄 263
   近藤裕子著『臨床文学論 ―川端康成から吉本ばななまで―』
高橋重美 267
   杉野要吉著『ある批評家の肖像平野謙の〈戦中・戦後〉―』
山口直孝 271
   目野由希著『明治三十一年から始まる『鴎外史伝』』
野村幸一郎 275
   乾口達司著『花田清輝論 ―吉本隆明/戦争責任/コミュニズム』
菅本康之 279
   真銅正宏・田口道昭・檀原みすず・増田周子編著
     『小林天眠と関西文壇の形成』
入江春行 283
   紅野謙介著『投機としての文学 活字・懸賞・メディア』
関肇 287
   白石喜彦著『石川達三の戦争小説』
本田孔明 291
   日高昭二著『菊池寛を読む』
片山宏行 295
   渡部直己著『かくも繊細なる横暴 日本「六八年」小説論』
石原千秋 299
   岩田ななつ著『文学としての『青鞜』』
米村みゆき 302
   山田有策著『制度の近代 ―藤村・鷗外・漱石―』
中山弘明 306
紹介 外村彰著『近江の詩人 井上多喜三郎』
西村将洋 310
   川端俊英著『『破戒』と人権』
深津謙一郎 311
   菊地弘著『小説家の風貌』
神田由美子 312
   浦西和彦著『河野多惠子文藝事典・書誌』
江種満子 313
日本近代文学会

第70集 (2004年 平成16年 5月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
芥川龍之介とL-A・ブランキ『天体による永遠』
  ―〈政治の美学化〉あるいは〈監獄と詩〉をめぐって―
藤井貴志  1
宮沢賢治心象スケッチ「五〇八 発電所」から
  「〔雪と飛白石[ギャブロ]の峯の脚〕」へ
杉浦静  17
他者の言葉で詩うこと ―昭和初期における山之口獏の文体戦略をめぐって―
疋田雅昭  33
終わらない裁き、分有される記憶 ―竹山道雄と武田泰淳―
大原祐治  50
三島由紀夫「むすめごのみ帯取池[おびとりのいけ]」論
  ―〈劇場の熱狂〉復活への試み―
木谷真紀子  65
『センセイの鞄』と『石に泳ぐ魚』のセクシャリティ
  ―性的アジールとしての〈老い〉―
清水良典  80
老いを描く〔講演〕
岩橋邦枝  91
展望 懐かしい人 ―ジャン‐ジャック・オリガス氏の思い出―
中島国彦 102
   テクストの深海を探る ―生成の起源から未来へ―
吉田城 109
   オリエンタリズムと谷崎潤一郎
柴田勝二 117
   戯曲・演劇研究の現状と今後
林廣親 126
   モダニズムと都市 ―研究の現状と今後の展望―
和田博文 133
   「外」と「中」 ―『放浪記』のサバイバル―
飯田祐子 140
研究ノート
   大海の面、幾多の幻怪なもの、可哀らしい小々波 ―鷗外の歴史小説における
     秩序と混沌―
エマニュエル・ロズラン(久保田剛史訳) 148
   作文する少年たち ―『穎才新誌』創刊のころ―
齋藤希史 158
   軍記物語と現在をつなぐための一、二の断章
高木信 167
   〈文学〉のジェンダー ―「小説」と「女性」をめぐる
     近代日本文学史のポリティックス再考―
鈴木登美 177
   創られた被爆者詩人アラキ・ヤスサダをめぐる詩という言説
ホセア・ヒラタ 187
   「ヒロシマというとき」について ―Problematiquéなノート―
川口隆行 197
書評 山崎甲一著『夏目漱石の言語空間』
藤尾健剛 207
   田中保隆著『二葉亭・漱石と自然主義』
滝藤満義 211
   田中俊廣著『痛き夢の行方 伊東静雄論』
池川敬司 215
   栗坪良樹著『寺山修司論』
守安敏久 219
   酒井敏著『森鷗外とその文学への道標』
金子幸代 223
   石丸晶子著『有島武郎 ―作家作品研究―』
奥田浩司 227
   松澤和宏著『生成論の研究 テクスト 草稿 エクリチュール』
栗原敦 231
   野口裕子著『円地文子の軌跡』
高桑法子 235
   佐々木雅發著『芥川龍之介 文学空間』
田口律男 238
   山根知子著『宮沢賢治妹トシの拓いた道―『銀河鉄道の夜』にむかって』
大塚常樹 242
   木村瑞夫著『論攷 中島敦』
山下真史 246
   岸規子著『田山花袋作品研究』
五井信 250
   岩本晃代著『昭和詩の抒情 丸山薫・〈四季派〉を中心に』
米倉巖 254
   遠藤祐著『太宰治の〈物語〉』
花田俊典 258
   宮内俊介著『田山花袋論攷』
神田重幸 261
   田村修一著『芥川龍之介 青春の軌跡 ―イゴイズムをはなれた愛―』
水洞幸夫 265
   新城郁夫著『沖縄文学という企て 葛藤する言語・身体・記憶』
鈴木直子 269
   花崎育代著『大岡昇平研究』
根岸泰子 273
紹介 関口安義著『芥川龍之介の素顔』
石割透 277
   森田進著『詩とハンセン病』
奈良崎英穂 278
   菊池寛研究会編著『真珠夫人 本文編 注解・考説編』
山岸郁子 279
   藤井淑禎著『景観のふるさと史』
南明日香 280
   千葉一幹著『賢治を探せ』
奥山文幸 281
   三谷憲正著『オンドルと畳の国 近代日本の〈朝鮮観〉』
梶谷崇 282
   小野末夫著『国木田独歩論』
中島礼子 283
   杉野要吉著『わが「文学史」講義 ―近代・人間・自然―』
曾根博義 284
   黒古一夫著
     『作家はこのようにして生まれ、大きくなった大江健三郎伝説』
吉岡亮 285
   中澤千磨夫著『小津安二郎・生きる哀しみ』
畑中基紀 286
   首藤基澄著『近代文学と熊本 水脈の広がり』
國生雅子 287
   飛高隆夫著『梶井基次郎ノート』
大塚剛 288
   松本武夫著『井伏鱒二 「宿縁」への眼差』
寺横武夫 289
日本近代文学会

第71集~第80集

第71集~第80集

第71集 (2004年 平成16年 10月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
表象する〈青年〉たち ─『三四郎』『青年』―
生方智子  1
京城の音楽会 ─「朝鮮民族美術館設立後援 柳兼子音楽会」の諸相―
梶谷崇  17
探偵小説の中の〈監視権力〉 ─谷崎潤一郎「途上」における探偵と被疑者―
永井敦子  33
志賀直哉「雨蛙」論 ─〈男〉たちの〈美しい夫婦の物語〉―
田中絵美利  48
「図書館幻想」論 ─宮澤賢治における書記/読書行為の空間構成―
村瀬甲治  63
立原道造「中間者」の誕生 ─「方法論」とオスカー・ベッカー
  『美の果無さと芸術家の冒険性』を通して―
名木橋忠大  79
稲垣足穂『弥勒』論 ─『ショーペンハウエル随想録』をめぐって―
高橋孝次  95
大岡昇平『俘虜記』の創作方法 ─背景としての記録文学―
野田康文 111
『沈黙』と時代 ─第二バチカン公会議を視座として―
小嶋洋輔 125
〈誤訳〉のなかの真理 ─中国における『ノルウェイの森』の翻訳と受容―
孫軍悦 141
テクストにおけるクロス=ジェンダード・パフォーマンス
  ─太宰治『女生徒』から篠原一『ゴージャス』まで―
内海紀子 157
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
特集 〈戦後〉論の現在 ─文学を再配置する(シンポジウム基調報告)
戦後日本とアメリカニズム
吉見俊哉 173
戦後文化運動への一視角 ─山代巴・中井正一の実践と論理―
竹内栄美子 186
大きな物語と小さな物語
花田俊典 200
研究ノート
   政治神学と古典的公共圏 ─パウロ・空海・和歌
前田雅之 218
   国家アイデンティティーとカノン形成
     ─明治期における『源氏物語』の役割
ゲイ・ローリー 228
   山本有三『波』にみる〈家〉と〈血〉 ─昭和三年の「社会問題」
小嶋菜温子 236
   堀辰雄・外国文学に関するノート研究─ラベ、ゲラン、ノワイユ夫人ほか
渡部麻実 244
   フランス大衆小説の射程
     ─ウージェーヌ・シュー作『パリの秘密』を中心に
小倉孝誠 262
   写真/都市/文学─パリ研究からの領野
今橋映子 270
展望 韓国現代文学研究に関する一つの略図
金哲 277
   国民国家アイデンティティを乗り越える視点
     ─菅野須賀子と金子文子の事例
前みち子 283
   ブルーノ・タウト「もうひとつのニッポン」をめぐって
沢良子 290
   探偵小説と日本近代文学研究
横井司 297
執筆ノート
   『小林多喜二の文学』(松澤信祐)/『解釈と批評はどこで出会うか』(山下久樹)
   /『バロックの日本』(守安敏久)/『文林逍遙』(佐藤泰正)/『漱石・女性・
   ジェンダー』(中山和子)/『ジブリの森へ』『宮沢賢治を作った男たち』(米村
   みゆき)/『芥川龍之介の読書遍歴』(赤瀬雅子)/『久坂葉子全集』全三冊(佐
   藤和夫)/『平沢計七作品集』(大和田茂)/『鷗外と神奈川』(金子幸代)/
   『谷崎潤一郎』(山口政幸)/『倫理的で政治的な批評へ』(綾目広治)/『灰谷
   健次郎』『野間宏』(黒子一夫)/『『一握の砂』の研究』(近藤典彦)/『パリ
   ・日本人の心象地図 1867-1945』(和田博文)/『百年の跫音』上下(高良留美子)
   /『佐藤春夫作品研究』(遠藤郁子)/『一つの花 評伝今西祐行』(関口安義)/
   『探偵小説と日本近代』(吉田司雄)/『立原道造と山崎栄治』(景山恒男)/『小
   説の相貌』(古閑章)/『楽の音に魅せられた魂』(安川定男)/『アンチ漱石』
   (大杉重男)/『太宰治と外国文学』(九頭見和夫)/『精選晶子百歌』(入江春
   行)/『川端康成』(大久保喬樹)/『コントラテクスト論』(種田和加子)/
   『〈朝鮮〉表象の文化誌』(中根隆行)/『明治文学 ことばの位相』(十川信介)
   /『日本近代文学との戦い 後藤明生遺稿集』(乾口達司)/『フィールドワーク・
   大江健三郎研究』(鈴木健司)/『近代文学の風景』(西垣勤)
日本近代文学会

第72集 (2005年 平成17年 5月15日発行)  ダウンロード 
〈論文〉
泉鏡花「湯島詣」の成立と変容
田中励儀   1
佐野天声「大農」の問題系 ─明治四十年、演劇改良運動の挫折―
宮山昌治  17
夏目漱石「京に着ける夕」論 ─《鶴》の表現と正岡子規との関わりを中心に―
二宮智之  32
安重根へのまなざし ─漱石「門」と鷗外訳「歯痛」―
若松伸哉  44
永井荷風の浮世絵研究 ─ジャポニスムの視座―
南明日香  58
漂泊する知識人の自画像 ─安成貞雄と実業の時代―
村田裕和  73
踊る少女/書く少女 ─童謡舞踊・綴方その他―
坪井秀人  87
浪漫派のゴルフ ─『日本浪曼派』創刊前後―
西村将洋 103
福永武彦『海市』 ─構造と語り―
西田一豊 119
性愛と争闘 ─中上健次『熊野集』「偸盗の桜」「鬼の話」―
渡邊英理 132
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
小特集 幻視される古代/原郷としての日本
折口信夫 古代幻視の構造 ─天皇霊・みこともち・語部―
高橋広満 148
『古寺巡礼』と『大和路・信濃路』をつなぐもの
 ─堀辰雄「大和路」ノートの検証を中心に―
中島国彦 163
和辻哲郎の「古代」 ─『古寺巡礼』を中心に―
苅部直 177
書評論文
明治の紫式部はいかにしてあらわれるのか
 ─関礼子著『一葉以後の女性表現 文体・メディア・ジェンダー』を読む―
小川昌子 190
明治日本から帝国日本への転位と自画像
 ─中根隆行著『〈朝鮮〉表象の文化誌を読む―
長沢雅春 198
“認めること””知ること”へと向かうとき
 ―小林幸夫『認知への想像力・志賀直哉論』に関して―
大野亮司 207
提言 学際的(共同)研究の可能性
橋爪紳也/五十殿利治/池内了/細川周平/杉浦芳夫/垂水千恵/長谷川眞理子/
鎌田道隆/川村邦光/川嵜克哲/伊藤徹/長谷正人/滝沢恭司          256
研究ノート
   『パンテオン会雑誌』の歳月
ロバート キャンベル 241
   村嶋帰之のルポルタージュ
土屋礼子 248
   異文化圏の読者と乱歩ミステリー
王成 256
   「在りし日の歌」という詩集名はいつ付けられたのか
加藤邦彦 266
   物語における「偶然」と物語の「思想」
猪木武徳 274
展望
   二十世紀八十年代以来の近代文学研究に学ぶ
孟慶樞 281
   時代と文学への新たな眼差し
島村輝 290
   現代の創作と古典
中沢けい 297
   いったい誰が小説を読んでいるのか
藤井淑禎 303
   『保昌正夫一巻本選集』を読む
石田仁志/柳沢孝子 311
   日本学会事務センターと文部科学省の言語道断
曾根博義 318
資料室
   芥川龍之介の未定稿作品「肯定及否定」
庄司達也 326
執筆ノート
小倉斉/木股知史/細江光/田中俊廣/酒井敏/柴田勝二/永渕朋枝/宗像和重
高橋眞司/相馬庸郎/千種キムラ・スティーブン/一柳廣孝/千石英世/橋詰静子
渡邊澄子/秋枝美保/横手一彦/楊英華/外村彰/岩見幸恵/下山嬢子/滝藤満義
竹内栄美子/永栄啓伸/高田知波/半田美永/勝又浩/松澤和宏/浜田雄介/平岡敏夫
江種満子/内田道雄/高良留美子/岩淵宏子/川島秀一/竹内清己/宇佐美毅
333
日本近代文学会

第73集 (2005年 平成17年 10月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
末松謙澄『Genji Monogatari』刊行の辞に見る出版事情
―イギリスに対する文化イメージ操作と徳川昭武―
川勝麻里   1
空想と現実の接点 ─大津事件に先立つ西郷隆盛生存伝説―
小林実   16
「白鬼女物語」から「高野聖」へ ─森田思軒訳「金驢譚」の受容と方法―
野口哲也  33
鈴木三重吉「小鳥の巣」論 ─新ロマンチシズムとの関係から―
高野奈保  48
捕獲・介入・現前 ─漱石のいない写真―
前田潤   64
芥川龍之介「鼠小僧次郎吉」 ─講談本との関わりについて―
奥野久美子 80
小林秀雄の一断面 ─エンゲルス『自然弁証法』受容の周辺―
山本亮介  96
〈翻訳〉の織物 ─太宰治「地球図」精読―
松本和也 112
断種を語る文学 ─ハンセン病文学に見る〈優生〉への全体主義―
荒井裕樹 127
村上春樹と情報社会
柴田勝二 142
サブカルチャー/メディア/批評 ─マンガ批評と純粋テレビ―
北田暁大 156
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
小特集 研究としての事典-『大阪近代文学事典』刊行を記念して
『新文学』(全国書房)の大阪出版時代研究
─大阪作家と編輯者との交流を通して―
増田周子 171
織田作之助の「わが町」について
宮川康  186
〈河内もの〉の型 ─今東光「おんば」を中心に―
中谷元宣 204
書評論文
明治二〇年代の小説表現史の構築にむけて
 ─宇佐美毅著『小説表現としての近代』―
甘露純規 217
虚弱な身体/病む身体
 ─川島秀一著『表現の身体 藤村・白鳥・漱石・賢治』を読む―
中山弘明 224
〈南洋〉という視座を抜きにして「昭和文学」は語れない
 ―木村一信『昭和作家の〈南洋行〉』の意義―
土屋忍  231
〈自負〉と〈エロス〉・抵抗する「読者」の力
 ―江種満子著『わたしの身体、わたしの言葉 ジェンダーで読む日本近代文学』を読む―
飯田祐子 240
提言 東アジアの日本文学・日本文化研究―その課題と可能性―
渡辺 一民/安田 敏朗/丁 貴連/藤井 省三/王 信英
染谷 智幸/黄 英哲/申 寅燮/徳田 武 248
研究ノート
   「鴎外史」―「明治四十一年」の復権への試み
        ―「豊熟の時代」への疑問も―
山﨑國紀 274
   〈記憶〉の掘り起こしの一環として
        ―『「帝国」戦争と文学』にみる十五年戦争下の〈国民〉と〈文学〉―
長谷川啓 281
   『田村泰次郎選集』の刊行を機に―「肉体の悪魔」自筆原稿の検討―
尾西康充 292
   「探求ノート」
大嶋仁 303
展望
   文学展に関する若干の感想
中村稔 310
   『大阪近代文学事典』に思うこと
浦西和彦 314
   文学研究の基盤について―学会制度と文学事典とデータベースと―
紅野謙介 319
   荷風再生―貴族性と大衆性のはざまで―
真銅正宏 327
   ポストモダニズム文学の現状と展望―アメリカ文学の場合―
麻生享志 333
   近代文学研究とサブカルチャー―二〇〇五年度春季大会を契機として―
金子明雄/葛西まり子/高田知波/跡上史郎/
西田谷洋/深津謙一郎/久米依子/柘植光彦/米村みゆき 341
執筆ノート
山本洋/谷沢永一/山崎眞紀子/森本穫/北田幸恵/内藤千珠子/山本良/小林美恵子
大河内昭爾/野中潤/大和田茂/島村輝/竹内栄美子/浅野洋/沢豊彦/半田美永
細谷博/高阪薫・西尾宣明/藤澤全/木村真佐幸/中山和子/関口安義/外村彰
和田博文/松本徹/持田叙子/田村圭司/杉山欣也/眞有澄香/波潟剛/森英一 379
日本近代文学会
第74集 (2006年 平成18年 5月15日発行)  ダウンロード
特集 文学にとって〈通俗性〉とは何か
毒婦物の法廷 ―小新聞における〈通俗性〉の問題に関連して―
松原真    1
木村曙と独幹敖史 ―雑誌『貴女之友』にみる通俗教育―
白井ユカリ 16
紙面の中の「己が罪」 ─大阪毎日新聞「落葉籠」欄にみる読者たち―
鬼頭七美  32
黙殺される「私小説」 ─直木三十五『私 眞木二十八の話』の試み―
平浩一   47
〈論文〉
竹内隆信編『纂評 新體詩選』の試み ─〈花柳の情〉をうたうこと―
宮崎真素美 62
幸田露伴と山田寅次郎 ─「書生商人」と「酔興記」をつなぐもの―
出口智之  77
永井荷風『あめりか物語』は「日本文学」か?
日比嘉高  92
田舎教師の復讐 ─田山花袋『田舎教師』における自己肯定の方法―
永井聖剛 108
恐怖の転移 ─志賀直哉『祖母の為に』を中心に―
後藤聡子 124
封じられた舞台 ─文芸協会「故郷」以後の女優評価をめぐって―
小平麻衣子137
芥川龍之介とW・モリス『News from Nowhere』
 ─モリス受容を媒介とした〈美学イデオロギー〉分析―
藤井貴志 152
「探偵小説」以前 ─佐藤春夫『指紋』における〈謎解き〉の枠組み─
生方智子 168
郷土芸術・田園・地方色
椋棒哲也 182
「春琴抄」における文楽 ─谷崎潤一郎の〈芸人〉観―
佐藤淳一 197
虚構あるいは小説の生成 ─谷崎潤一郎『春琴抄』論―
中村ともえ212
「私」を綴る「ひとびと」
─一九五〇年代における「生活綴方運動」をめぐって―
中谷いずみ226
小松川事件の「表象」と大江健三郎の『叫び声』
兪承昌  240
翻訳の歴史と〈歴史〉の翻訳 ─井上靖『天平の甍』の中国語訳について―
孫軍悦  254
風景と身体 ─安部公房/勅使河原宏映画「砂の女」論―
友田義行 270
中上健次『日輪の翼』における移動 ─非「仮母」としての老婆たち―
倉田容子 286
書評論文
「主体」と「小説」
 ─山本良『小説の維新史 小説はいかに明治維新を生き延びたか』を読む―
木戸雄一 301
昭和初期のモダニズム詩全体の解読にむけて
 ─田村圭司著『吉田一穂 究極の詩の構図』を読む―
澤正宏  309
歴史的・文化的文脈に開かれる作家論/自閉してゆく作品分析
 ―小林美恵子著『昭和十年代の佐多稲子』を読む―
根岸泰子 317
《不断の運動体 》の軌跡
 ―花田俊典氏『坂口安吾生成』をめぐる作品論的断章―
小林真二 325
研究ノート
   今東光研究補遺
矢野隆司 333
   第二次『早稲田文学』の創刊と金尾文淵堂
石塚純一 341
   『細雪』と『源氏物語』 ―文化の終焉と医学的言説―
神田龍身 352
   目を疑うものと目を疑わないもの
木下直之 363
展望
   アヴァンギャルド研究の現在 ―可能性と課題―
疋田雅昭/宮内淳子/大谷省吾/西垣尚子
鈴木貴宇/十重田裕一/藤本寿彦/塚原史  370
   ヨーロッパ・フランス語圏における日本近代文学研究の現状
二宮正之 401
   女性文学雑感 ―〈日中女性文学シンポジウム〉に寄せて―
山崎眞紀子409
   ポストコロニアリズムと東アジアの脱植民地化という課題
本橋哲也 416
   パネル発表の経験から―二〇〇五年度秋季大会の試み―
佐々木亜紀子/佐野正人/飯田祐子/種田和加子 426
執筆ノート
磯佳和/遠藤祐/山口俊雄/渡邊澄子/水川隆夫/佐藤泉/島村輝/鈴木章吾/林淑美
大本泉/勝又浩/一柳廣孝/外村彰/秋山勇造/秋山公男/佐藤伸宏/荒井真理亜
内藤千珠子/佐々木雅發/秋山稔/岡野裕行/和田勉/羽鳥徹哉/谷口絹枝
林尚男/菱川善夫/佐藤裕子/松本徹/生井知子/赤尾勝子/金子明雄/永淵道彦
國中治/黒古一夫/南富鎭/菅聡子/永岡健右
445
日本近代文学会
第75集 (2006年 平成18年 11月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
花圃と鉄幹をめぐる問題系 ─「亡国の音」前後─
関礼子    1
明治俳諧の「余情」と「只言」 ─三森幹雄と正岡子規の応酬から─
青木亮人   16
漱石から見た「マス衆」 ─明治四十年の雲右衛門人気を軸として─
山口比砂   32
「小曲」ジャンルと北原白秋
 ─雑誌メディアにおける〈地方〉読者と詩人達─
畑裕哉    46
「西郷隆盛」論 ─見ることと記憶・認識の揺らぎ─
五島慶一   61
大逆事件と谷崎潤一郎
 ─回帰するスキャンダルと『神と人との間』をめぐって─
内藤千珠子  75
大正期における堀口大學の翻訳
土屋聡    87
佐藤春夫「女誡扇綺譚」論 ─或る〈下婢〉の死まで─
河野龍也  103
戦略としての「朝鮮」表象
 ─中野重治「雨の降る品川駅」の無産者版から─
高榮蘭   119
〈肉体〉の増殖、欲望の門 ─田村泰次郎「肉体の門」の受容と消費─
天野知幸  135
小特集 シンポジウム「それぞれの〈近代〉〈文学〉─交差する東アジア─」
韓国文学の近代性を問い直す
 ─李人稙の『血の涙』と李光洙の『無情』を中心に─
金京媛   151
もう一つの「閉塞時代」の精神史
 ─龍瑛宗・台湾戦前小説にみられるコロニアルな主体の形成─
呉叡人   167
「にっぽんを逆さに吊す」─来たるべき沖縄文学のために─
新城郁夫  179
韓国・台湾・沖縄の文学との交差
中根隆行  192
研究ノート
  『学海余滴』一斑
松本常彦  198
  上海小新聞の一記事から中日文壇交渉を探る
   ─谷崎潤一郎・芥川龍之介の上海体験の一齣─
秦剛    206
  トランスナショナリズムと
  翁久允の「コスモポリタンは語る」
クリスティーナ・バシル 216
  『決定版三島由紀夫全集』のこと
佐藤秀明  225
展望
  「近代日本文学」と「Modern Japanese Literature」の間 ─夢の浮橋の行方─
マイケル・ボーダッシュ    232
  日本近代文学の現在と将来
チャールズ・シロー・イノウエ 239
  海外で日本語で発表するということ
   ─EAJSの国際会議に触れながら─
吉田司雄 247
  日韓合同日本近代文学研究会の五年間
上田正行 254
  戦時上海の文学研究の地平を広げるために
大橋毅彦 261
書評
  山口俊雄著『石川淳作品研究─「佳人」から「焼跡のイエス」まで』
狩野啓子 268
  林淑美著『昭和イデオロギー─思想としての文学』
西川長夫 271
  内藤千珠子著『帝国と暗殺─ジェンダーからみる近代日本のメディア編成』
朴裕河  275
  佐々木雅發著『独歩と漱石─汎神論の地平─』
出原隆俊 279
  島田隆輔著『宮沢賢治研究 文語詩稿・叙説』
秋枝美保 283
  國中治著『三好達治と立原道造─感受性の森』/野村聡著『立原道造』
勝原晴希 287
  南富鎭著『文学の植民地主義 近代朝鮮の風景と記憶』
五味渕典嗣 293
  中村三春著『係争中の主体 漱石・太宰・賢治』
日比嘉高 297
  坪井秀人著『感覚の近代─声・身体・表象』
中山昭彦 301
  尾西康充著『近代解放運動史研究 梅川文男とプロレタリア文学』
鶴見太郎 305
  関谷博著『幸田露伴論』
須田千里 309
  安元隆子著『石川啄木とロシア』
木股知史 313
  千葉眞郎著『石橋忍月研究─評伝と考証─』
林原純生 317
  峯村至津子著『一葉文学の研究』
山本欣司 321
  神山彰著『近代演劇の来歴 歌舞伎の「一身二生」』
林廣親  325
  羽鳥徹哉著『作家の魂─日本の近代文学─』
勝又浩  329
  野田康文著『大岡昇平の創作方法─『俘虜記』『野火』『武蔵野夫人』』
花﨑育代 333
紹介
  泉鏡花研究会編『論集 泉鏡花 第四集』
早川美由紀 337
  古閑章著『梶井基次郎の文学』
大塚常樹 338
  高瀬真理子著『室生犀星研究 小説的世界の生成と展開』
二瓶浩明 339
  川端俊英著『島崎藤村の人間観』
下山嬢子 340
  鷺只雄著『芥川龍之介と中島敦』
宮坂覺  341
日本近代文学会
第76集 (2007年 平成19年 5月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
〈反戦小説〉の根底 ─泉鏡花「海城発電」とナショナリズム─
松田顕子  1
成型される透谷表象
   ─明治後期、〈ヱルテリズム〉の編成とその磁場─
黒田俊太郎  16
「暗示」実験としての漱石短篇
   ─「一夜」「京に着ける夕」『永日小品』─
佐々木英昭  32
趣味は遺伝するか ─夏目漱石「趣味の遺伝」論
神田祥子  46
森田草平における作家活動の軌跡について
   ─「煤烟」と「自叙伝」評を中心に
髙野奈保  61
岩野泡鳴「猫八」に見る〈笑い〉の近代文学
   ─〈有情滑稽〉に潜む批評精神―
鷲﨑秀一  77
堀辰雄「眠りながら」とジャン・コクトオ
宮坂康一  92
モダニズム精神の軌跡 ─リルケの事物詩受容を中心に
岩本晃代 106
「象徴」による無意識表出の試み ─川端康成「水晶幻想」論─
小林洋介 121
‘Kokoro(Le pauvre coeur des hommes)’(仏訳『こゝろ』)出版の周辺
   ─国際文化交流における文学─
山本亮介 137
大東亜文学者大会の理念と実相
   ─第一回大東亜文学賞受賞作・庄司総一『陳夫人』を視座として─
楠井清文 153
〈歴史と文学〉のなかで ─石川淳『森鴎外』における史伝評価
若松伸哉 169
三島由紀夫『仮面の告白』論─書くことの倒錯
梶尾文武 183
テクスト内存在によるテクスト創造は可能か?
   ─岡田淳『扉のむこうの物語』における「物語批判」の問題─
井上乃武 199
研究ノート
  近代〈座談会〉研究 ─『文藝春秋』座談会まで─
森岡卓司 213
  漱石のロンドン大学経験をめぐって
ファリア・アンナ・マリエ 223
  永井荷風と雑誌『太西洋』─「夜の女」の初出をめぐって─
   〔付〕『太西洋』第一号~第三号目次
佐藤麻衣 231
  『徳田秋聲全集』完結について
小林 修 241
  「サークル村」復刻の射程
坂口 博 248
  「文藝時評」への一視点
   ─ゆまに書房『文藝時評大系』の編集に参加して─
中島国彦 257
展望 小特集 研究の評価軸を問い直す Ⅰ
  研究者が研究者の論文を評価するということ
宗像和重 264
  二年間の学会運営を終えて─口頭発表の意義・運営のあり方など
石割 透 270
  「小さく入って大きく抜ける」という戦略
安藤 宏 277
  プロレタリア文学─世界を見通すにあたって、それがなぜ大切なのか
ヘザー・ボーウェン-ストリュイク 283
  タイにおける日本文学受容と研究 ─その変遷と展望─
ナムティップ・メータセート 294
  北米における日本近代文学研究
 ─女性文学研究・大衆文学研究を通して
ドラージ土屋浩美 311
イヴェント・レヴュー
  「森鴎外と美術」展 ─近代日本における油彩画の変遷─
安田 孝 319
  シンポジウム「江戸から明治へ─仮名垣魯文を中心として─」と特別展「仮名垣魯文百覧会」
加藤禎行 323
  北九州市立文学館オープン ─文学館の可能性を求めて─
今川英子 327
  大衆性とは何か
  ─立教大学国際国際シンポジウム「21世紀の日本文学研究」より─
王  成 331
  あいまいな表象と表現
  ─国文学研究資料館 第三十回 国際日本文学研究集会
栗田香子 335
  文学館の役割 ─貴司山治展とブンガクな時代展をめぐって─
鳥羽耕史 339
書評
  佐藤伸宏著『日本近代象徴詩の研究』
  九里順子著『明治詩史論 透谷・羽衣・敏を視座として』
傳馬義澄 343
  竹松良明著『阿部知二論─〈主知〉の光芒─』
森本 穫 348
  中村三春著『修辞的モダニズム─テクスト様式論の試み』
坪井秀人 352
  花田俊典著『沖縄はゴジラか─〈反〉・オリエンタリズム/南島/ヤポネシア─』
宮城公子 357
  勝原晴希編『『日本詩人』と大正詩〈口語共同体〉の誕生』
池川敬司 361
  西田谷洋著『認知物語論とは何か?』
跡上史郎 365
  綾目広治著『批判と抵抗 日本文学と国家・資本主義・戦争』
佐藤 泉 370
  野村幸一郎著『小林秀雄 美的モデルネの行方』
関谷一郎 375
紹介
  白樺文学館編『いま中国によみがえる小林多喜二の文学』
楜沢 健 379
  石田仁志・渋谷香織・中村三春編『横光利一の文学世界』
野中 潤 380
  横瀬隆雄著『横瀬夜雨と長塚節─常総の近代文学雑考─』
山本康治 381
  玉村 周著『横光利一─瞞された者─』
掛野剛史 382
  宮薗美佳著『「漾虚集」論考─「小説家夏目漱石」の確立』
木村 功 383
  尾西康充著『北村透谷研究─〈内部生命〉と近代日本キリスト教─』
永渕朋枝 384
  水田宗子・長谷川啓・北田幸恵編『韓流サブカルチュアと女性』
久米依子 385
  山口俊雄編『太宰治をおもしろく読む方法』
木村小夜 386
  平岡敏夫著『もうひとりの芥川龍之介』
庄司達也 387
  和田博文ほか著『言語都市ベルリン1861‐1945』
林 正子 388
日本近代文学会
第77集 (2007年 平成19年 11月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
男たちの挽歌 ─『闇中政治家』と民権志士のホモソーシャリティ─
浅野正道  1
晶子と寛、大逆事件の深き傷跡
   ─〈新資料〉沖野岩三郎宛、晶子紀州旅行の礼状─
塚本章子  17
「変態」としての「不良」─谷崎潤一郎「肉塊」・里見弴「多情仏心」─
古川裕佳  32
〈変態〉言説と探偵小説 ─谷崎潤一郎「青塚氏の話」論─
永井敦子  47
坂口安吾「風博士」論
   ― 福本イズム・小谷部全一郎・浪漫的英雄主義の内在批判 ―
山根龍一  61
坂口安吾と「新らしい人間」論
宮澤隆義  76
「死者は生きている」 ─大岡昇平『野火』論─
立尾真士  92
山田風太郎と読書文化 ─戦後派探偵作家の〈教養〉の行方
谷口 基 108
武田泰淳的リアリズムの生成
   ─小説「秋風秋雨人を愁殺す 秋瑾女士伝」の方法─
郭  偉 124
押井守『イノセンス』論 ─素子の暴力表象をめぐって
水川敬章 139
資料室
岡本かの子全集未収録短歌並びに『愛のなやみ』所収短歌の初出について
下岡友加 154
小特集 シンポジウム「再生産される作家イメージとその強度」
コンテクストからテクストへ
   ─緑雨校訂・一葉「棹の雫」から見えてくるもの─
関 礼子 159
反権威言説の現代的配置
佐藤 泉 168
表現機構としての”作者”
安藤 宏 180
「作者」についての提起 ─『仮面の告白』を例として─
佐藤秀明 188
研究ノート 改造社研究の現在
  山本実彦旧蔵・川内まごころ文学館所蔵『改造』直筆原稿研究について
紅野謙介 197
  作家を求める読者、読者を求める作家
     ─改造社主催講演旅行実地踏査の印象
杉山欣也 203
  旧改造社広告関係資料から何が見えるか
     ─メディアという表象とイデオロギー─
五味渕典嗣 211
デジタルアーカイヴと研究プロジェクトの時代の影印本
   ─国文学研究資料館編「リプリント日本近代文学」について─
木戸雄一 222
  東京大学総合図書館「鴎外文庫プロジェクト」について
河野至恩 229
展望 小特集 研究の評価軸を問い直すⅡ
  細部と全体
勝又 浩 237
  研究を評価することについての私見
小林幸夫 243
  〈歴史〉の縒り糸 ─ベンヤミンからみえる〝風景″
中山昭彦 249
  戦時下の新聞文芸記事 ─展望にかえて
奥出 健 257
  台湾における日本近代文学研究
   ―インフラ整備、あるいは越境と交渉をめぐる覚書―
川口隆行 263
イヴェント・レヴュー
  グローバル時代における文学・文化研究の新たな可能性
  「谷崎潤一郎パリ国際シンポジウム─境界を超えて」に参加して
鈴木登美 270
  中原中也生誕百年に思う ―いくつかのイベントに参加して―
加藤邦彦 277
  山梨県立文学館企画展「高村光太郎 いのちと愛の軌跡」
杉本 優 282
  二〇〇七年度日本近代文学会関西支部春季大会 シンポジウム 鉄道
   ─関西近代のマトリックス─
浅野 洋 286
  イタリア観の一世紀 ―旅と地と美―
  Immagini d’Italia in Giappone un secolo di testimonianze
内藤由直 290
  「文学のマテリアリズム ─出版・流通・移動」に参加して
中谷いずみ295
書評
  佐々木亜紀子著『漱石 響き合うことば』
石井和夫 299
  大原祐治著『文学的記憶・一九四〇年前後 昭和期文学と戦争の記憶』
綾目広治 304
  井上隆史著『三島由紀夫 虚無の光と闇』
久保田裕子 308
  坂本正博著『帰郷の瞬間 金井直『昆虫詩集』まで』
澤 正宏 312
  東郷克美著『佇立する芥川龍之介』
三嶋 譲 316
  山崎一穎著『森鴎外論攷』
須田喜代次 320
  浦田義和著『占領と文学』
鈴木直子 324
  和田敦彦著『書物の日米関係 リテラシー史に向けて』
大野亮司 328
紹介
  大井田義彰著『《文学青年》の誕生──評伝・中西梅花──』
榊 祐一 332
  濱川勝彦・半田美永・秦昌弘・尾西康充編『丹羽文雄と田村泰次郎』
田中励儀 333
  遠藤祐著『宮澤賢治の物語たち』
中地 文 334
  中山昭彦・吉田司雄編『機械=身体のポリティーク』
生方智子 335
  浦西和彦・堀部功夫・増田周子編『四国近代文学事典』
友重幸四郎 336
  柴田勝二著『漱石のなかの〈帝国〉 「国民作家」と近代日本』
佐藤裕子 337
  神谷忠孝・木村一信編『〈外地〉日本語文学論』
波潟 剛 338
  真銅正宏著『小説の方法 ポストモダン文学講義』
西田谷洋 339
日本近代文学会
第78集 (2008年 平成20年 5月15日発行)  ダウンロード
〈特集〉近代文学の図像学
「東京絵入新聞」の図像学――「金之助の話説」の成立まで
中丸宣明  1
思想としての木版和装本――「新作十二番」『此ぬし』の戦略――
富塚昌輝  19
三森幹雄と正岡子規の「眼」――明治俳諧における「写生」の位相――
青木亮人  36
人魚の形象――泉鏡花と鏑木清方――
吉田昌志  52
谷崎潤一郎における視覚的表現の二三の傾向について
金子明雄  70
川端康成『みづうみ』の図像学――「猿猴捉月図」の構図――
谷口幸代  86
花田清輝と桂ゆき――画家による装幀の一例として――
宮内淳子  98
〈論文〉
東京高等女学校の同窓生にみるシスターフッド
   ――清花女史「双ふた根もと竹だけ」に託されたもの――
白井ユカリ118
幸田露伴の歴史小説――「風流魔」の構想と成立に即して――
出口智之 134
芥川龍之介「シング紹介」論
   ――「愛蘭土文学研究会」との関わりについて
鈴木暁世 150
展開する第四次元――平戸廉吉の現代性と再評価――
権田浩美 165
五味康祐「喪神」から坂口安吾「女剣士」へ
   ――剣豪小説黎明期の典拠と方法――
牧野 悠 180
継続する戦争への抵抗――池沢聰「ガード」論
我部 聖 195
〈本当の事〉再考――大江健三郎『万延元年のフットボール』
服部訓和 211
「路地」なき後のアイデンティティ――中上健次『日輪の翼』論――
浅野 麗 227
「寓話」の強度――野田秀樹『オイル』を読む
嶋田直哉 243
[共同研究報告]『小学生全集』の世界観
宮川健郎/久米依子
藤本 恵/和田敦彦 258
〈研究ノート〉
「山田美妙関係手稿」のことなど
青木稔也 276
東北大学附属図書館「漱石文庫」について
木戸浦豊和 283
ライトノベル研究会の現在
   ――メディアミックスの中から見えてくるもの――
大島丈志 296
〈展望〉
  リテラシーの歴史を考えるには
和田敦彦 304
  SF研究の現在
巽 孝之 311
  中国人にとっての日本文学の魅力――日本文化の一環として――
王  敏 318
〈イヴェント・レヴュー〉
  澁澤龍彦、没後二〇年目の再生
小倉 斉 328
  第二回国際芥川龍之介学会大会(中国・寧波大学)
伊藤一郎 332
  日本近代文学館の記念行事「近代文学の至宝」展
宇治土公三津子 337
  「埴谷雄高『死霊』展」――神奈川県立近代文学館――
水沢不二夫 342
  ローカル化とグローバル化のあいだで――北京日本学研究センター 二〇〇七年国際シンポジウム
   「二十一世紀における北東アジアの日本研究」――
小林 実 346
〈書評〉
  菅本康之著『モダン・マルクス主義のシンクロニシティ
大和田茂 351
        ――平林初之輔とヴァルター・ベンヤミン』
  下岡友加著『志賀直哉の方法』
  宮越勉著『志賀直哉 暗夜行路の交響世界』
伊藤佐枝 355
  渡辺善雄著『鴎外・闘う啓蒙家』
酒井 敏 361
  古川ちかし・林珠雪・川口隆行編著『台湾・韓国・沖縄で日本語は何をしたのか 言語支配のもたらすもの』
  垂水千恵 365
  鳥羽耕史著『運動体・安部公房』
重松恵美 370
  南明日香著『永井荷風のニューヨーク・パリ・東京 造景の言葉』
中澤千磨夫 374
  北田幸恵著『書く女たち 江戸から明治のメディア・文学・ジェンダーを読む』
  佐伯順子 378
  朴裕河著『ナショナル・アイデンティティとジェンダー――漱石・文学・近代』
  田口律男 383
〈紹介〉
  仲秀和著『『こゝろ』研究史』
北川扶生子 388
  塩浦彰著『荷風と静枝――明治大逆事件の陰画』
中村良衛 389
  宮崎真素美・遠山一郎・山口俊雄著『言葉の文明開化――継承と変容――』
竹本寛秋 390
  尾西康充著『椎名麟三と〈解離〉――戦後文学における実存主義』
山口俊雄 391
  佐藤公一著『小林秀雄のコア――文学イデオローグ――』
樫原 修 392
  藤本寿彦著『幸田文「わたし」であることへ――「想ひ出屋」から作家への軌跡をたどる――』
  西 荘保 393
  高橋昌子著『藤村の近代と国学』
神田重幸 394
日本近代文学会
第79集 (2008年 平成20年 11月15日発行)  ダウンロード 
〈論文〉
風景と所有権 ――志賀と独歩の文学、蘆花の文学
藤森 清  1
平民主義の興隆と文学 ――国木田独歩『武蔵野』論――
木村 洋  15
勝手口から戦場へ ――泉鏡花「勝手口」試論――
秋山 稔  30
閨秀文学会の源流としての〈穏健な女子教育〉
 ――『新天地』におけるイプセン受容の両義性――
徳永夏子  45
明治天皇「御ぎよ製せい」のポリティクス
松澤俊二  59
花々の闘う時間
 ――近代少女表象形成における『花物語』変容の位置と意義――
高橋重美  75
「兵士の歌」と水平線 ――鮎川信夫の〈原点〉の座標――
田口麻奈  91
動物とファシズム ――大江健三郎「奇妙な仕事」論
村上克尚 108
〈研究ノート〉
  「郷土文学」雑考 ――文学における中央と地方の問題
松本博明 123
〈展望〉
  二〇〇八年の「蟹工船」現象 ――その背景と展開
島村 輝 131
  プロレタリア文学と現在
   ――世界を分析し、オルタナティヴを模索する――
竹内栄美子 138
  二十世紀の日本詩と女性 ――日本女性詩人集を編集英訳して
佐藤紘彰 144
  イタリアにおける日本文化、文学の受容について
井内梨絵 152
〈イヴェント・レヴュー〉
  特別企画展「有島三兄弟―それぞれの青春」に想う
片山晴夫 159
  「石川淳と戦後日本―国際日本文化研究センター
  第三十四回国際研究集会・オハイオ州立大学協賛―」に参加して
吉本弥生 163
  「寺山修司 劇場美術館1935-2008」展
   ――没後二十五年の寺山修司――
守安敏久 168
〈書評〉
  木谷真紀子著『三島由紀夫と歌舞伎』
  杉山欣也著『「三島由紀夫」の誕生』
有元伸子 172
  関 肇著『新聞小説の時代 メディア・読者・メロドラマ』
山田俊治 178
  木股知史著『画文共鳴――『みだれ髪』から『月に吠える』へ』
藤本寿彦 183
  安 智史著『萩原朔太郎というメディア――ひき裂かれる近代/詩人』
堤 玄太 187
  小平麻衣子著『女が女を演じる 文学・欲望・消費』
菅 聡子 194
  山本亮介著『横光利一と小説の論理』
掛野剛史 198
  永井聖剛著『自然主義のレトリック』
新保邦寛 202
  山崎正純著『丸山眞男と文学の光景』
千葉一幹 206
〈紹介〉
  真銅正宏著『食通小説の記号学』
大本 泉 210
  新・フェミニズム批評の会『明治女性文学論』
平田智子 211
  中村美子著『夏目漱石絶筆『明暗』における「技巧」をめぐって』
矢田純子 212
  石川 巧著『「国語」入試の近現代史』
木村友彦 213
  竹村民郎・鈴木貞美編『関西モダニズム再考』
竹松良明 214
  木村一信著『不安に生きる文学誌――森鴎外から中上健次まで――』
石﨑 等 215
  徳永光展著『夏目漱石『心』論』
松村 良 216
  加藤孝男著『近代短歌史の研究』
太田 登 217
  黒澤亜里子編著『往復書簡宮本百合子と湯浅芳子』
菅井かをる 218
  川口隆行著『原爆という問題領域プロブレマティーク』
川津 誠 219
  平岡敏夫著『夕暮れの文学』
鷺 只雄 220
日本近代文学会
第80集 (2009年 平成21年 5月15日発行)  ダウンロード
〈論文〉
貧困の逆説 ――葛西善蔵「贋物さげて」論
伊藤 博    1
戦略としての〈売文〉小説 ――芥川龍之介「葱」試論――
大西永昭   20
「ナンセンス」の批評性 ――一九三〇年前後の井伏鱒二――
滝口明祥   36
林房雄『青年』における本分異同の戦略 ――国民文学への道――
内藤由直   52
『少女の友』のコミュニティーと川端康成「美しい旅」――〈障害者〉から〈満洲〉へ――
三浦 卓   67
永井荷風と占領期〈検閲〉――『罹災日録』を視座として――
岸川俊太郎   83
庄野潤三作品における「樹木」と作家の転機 ――「夫婦小説」から「夕べの雲」まで――
谷川充美   99
サド裁判論 ――澁澤龍彦の戦術とその意義をめぐって
水川敬章   115
安部公房『他人の顔』における身体加工 ――共同体・皮膚の言語・他者――
友田義行   131
循環する水 ――目取真俊「水滴」論――
村上陽子   147
〈研究ノート〉
  岡本敬之助と九代目市川団十郎の交友
丹羽みさと   161
  「Japan and America」――邦人発行の英字雑誌をめぐって――
佐藤麻衣   171
〈パネル発表〉
  石原純とは誰だったのか ――パネル発表の報告と課題――
紅野謙介   179
  [共同研究報告]〈全集〉出版と読者 ――改造社を中心に  188
  改造社『現代日本文学全集』の広告戦略とその実態 ――「現代日本文学全集講演映画大会」を中心に
庄司達也   189
  昭和改元前後の『改造』 ――大衆化するメディア、広告化する『改造』
杉山欣也   195
  〈全集〉出版のポリティクス
山岸郁子   198
  戦前期日本ペンクラブをめぐる諸問題
目野由希   202
〈展望〉
  閉域から脱して
綾目広治   210
  フラット文学論序説
押野武志   217
〈イヴェント・レヴュー〉
  絵葉書による友情
   ――「志賀直哉をめぐる人々展」および『志賀直哉宛書簡集 白樺の時代』について
山口直孝   224
  「若き久米正雄・芥川龍之介・菊池寛」展から
   ――第四次『新思潮』の草稿・原稿・校正刷をめぐって――
宗像和重   228
  小島信夫展(二〇〇八年六月十三日―十二月二十五日 岐阜県図書館)
  ――「裸木」にエロスを垣間見る
近藤耕人   233
  現代日本は「乱世」であるのか
  ――「堀田義衛展 スタジオジブリが描く乱世。」を観て――
日置俊次   237
  山梨県立文学館「飯田龍太展」
橋本 直   241
〈書評〉
  岡野幸江著『女たちの記憶 〈近代〉の解体と女性文学』
鈴木正和   244
  平澤信一著『宮沢賢治《遷移》の詩学』
  池川敬司著『宮沢健治との接点』
大沢正善   248
  岩見照代著『ヒロインたちの百年 文学・メディア・社会における女性像の変容』
藤木直美   253
  尾西康充著『田村泰次郎の戦争文学――中国山西省での従軍体験から』
曾根博義   257
  綾目広治著『理論と逸脱 文学研究と政治経済・笑い・世界』
石川 巧   261
  山田有策著『再生の近代 戦後という文体』
小森陽一   265
  伊狩 弘著『島崎藤村小説研究』
永井聖剛   269
〈紹介〉
  山崎眞紀子著『村上春樹の本文改稿研究』
  明里千章著『村上春樹の映画記号学』
山田夏樹   273
  綾目広治・大和田茂・鈴木斌編『経済・労働・格差――文学に見る』
菅本康之   275
  外村彰編『高祖保書簡集 井上多喜三郎宛』
小関和弘   276
  大橋毅彦他編著・注釈『上海1944-1945 武田泰淳『上海の螢』注釈』
郭  偉   277
  宇佐見毅・千田洋幸編『村上春樹と一九八〇年代』
米村みゆき   278
  島崎市誠著『論集 中野重治』
村田裕和   279
日本近代文学会
『日本近代文学』第71集~第80集
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